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茂山親子チーム |
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茂山玲奈、稚芳 |
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玲奈(小6) |
卓球歴2年/最高成績、三重県大会3位 |
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稚芳(37歳) |
中学、高校と卓球部所属 |
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村松親子チーム |
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村松侑、保弘 |
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侑 (小6) | 卓球歴5年/全国大会団体戦優勝 |
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保弘(46歳) | 中学時代に多少経験 |
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加藤親子チーム |
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加藤佐代子、公彦 |
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佐代子小6) |
卓球歴5年/全国大会ベスト16 |
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公彦(43歳) | 大学時代に全国大会ベスト8 |
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今回は卓球親子対決。登場した小学生は、いずれも全国や県で活躍するスーパープレーヤーである。一方、お父さんは全国で活躍した人から中学時代に多少経験した人までレベルにかなりの差がある。親子ともども全国レベルの加藤チームは優勝候補ナンバー1。しかし、その実力に反してお父さんの公彦さんの風貌は落語家のようであり、「落語卓球協会」に混じってもわからないとペナルティから指摘を受ける。
第1ステージはある卓球名人のサーブを返せればポイントゲットというシンプルなゲーム。 |
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名人、西飯氏のサーブに挑戦 |
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名人、西飯氏のぎりぎりサーブを捕らえる侑君 |
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しかし、この卓球名人が只者ではなかった。その名は西飯徳康。現在、愛工大卓球部総監督でナショナルチームのコーチも務める。福原愛のコーチも務めている人なのだ。彼はかつて混合ダブルスで世界3位にもなった実力者。特にそのサーブは世界でも威力を発揮したのだ。このサーブに対して見事な反応を見せたのが村松侑君。フォアサイドギリギリの難しいボールをドライブ回転で返したのだった。これには西飯氏も「さすが全国レベル」と脱帽した。 |
今回参加した中で最もレベルの高い加藤公彦さんに対しては、西飯氏も特に気合の入ったサーブを披露。予期せぬ変化を見せるそのサーブに対しては公彦さんも「初見では到底取れない」とあきらめるしかなかった。
この公彦さんは佐代子ちゃんのチームの監督を務めている。普段から監督と選手という厳しい関係で練習に励む二人。その二人の楽しみは練習後に立ち寄る本屋さんで、本を買う事。文武両道の加藤親子なのだ。二人は、第2ステージの「親子ラリー対決」で116回の記録を出した。
茂山玲奈ちゃんは卓球を始めてわずか2年で三重県大会3位になるという急成長株。仲の良いこの親子はラリー118回の記録を出して加藤親子を一歩リード。
村松侑君は全国大会団体戦で優勝という輝かしい実績を持つ。しかし父、保弘さんはたまに打つ程度という。侑君に言わせるとお父さんの実力は小学校3年生程度。他のお父さんには勝てないだろうとのこと。その言葉を聞いてお父さんは「一生懸命頑張るしかない」と静かに言った。その村松親子のラリー結果は113回。失敗しないように丁寧に打った結果だが、3組中最下位の数値にお父さんは責任を感じる。
第1ステージでサーブを返す事ができず、ここでまた最下位のラリー結果を出してしまった村松保弘さんは息子の心中を察する。
「たぶん侑は機嫌が悪いんでしょけど、試合でもやはり一生懸命やることが大事だし・・・」
確かに侑君は少し不機嫌だった。しかし父に言った。
「でも次頑張ってくれれば許します」 |
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マラソン怪人「近藤さん」 |
責任を感じる父を待ち受けていたのはボーナスステージ。ミスターワキタが連れてきたスポーツ怪人とお父さんが戦うのだ。そして、今回ミスターワキタが連れてきた怪人とは「近藤さん」だった。近藤さん、フルネームを近藤健志(けんし)さんと言い、マラソン歴40年を誇る64歳のスーパーマラソンマンなのだ。国内外の大会で優勝経験を持ち、宗兄弟や瀬古選手とも走ったこともある。最高記録は2時間21分17秒という俊足ランナーだが、ただし、その記録は30年前のものであった。
この怪人、近藤さんから3分間逃げ切ればボーナスポイントを獲得できる。お父さんたち、中でも村松保弘さんは特に燃えていた。いざスタートすると最初に飛び出したのは保弘さん。
「試合に負けたからといって別に死んじゃうわけじゃないが、でもその時その時を全力で向かっていって欲しい。あきらめない」 |
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近藤さん、Qちゃんのようにサングラスを投げる |
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そんな思いを侑君に感じて欲しいとスタートダッシュを計った保弘さんだった。しかし、1分過ぎた頃、彼のペースは確実に落ち始めた。そして加藤公彦さんがトップに立つ。そして残り1分になると保弘さんは他の二人の父から遠く離され、背後に怪人の足音を聞いていた。怪人近藤さん。彼はこのポイントでサングラスを投げ捨てた。それはさながらシドニーで金メダルを獲得したときのQちゃん(高橋尚子選手)のようだった。 |
そしてその後、近藤さんのスピードは飛躍的に上がり、残り50秒で村松保弘さんを捕らえた。続いて手袋と長袖のトレーンングウェアを脱ぎ捨てた近藤さんは更にスピードアップ。残り5秒で加藤さんを捕らえた。しかし茂山さんだけはなんとか逃げ切って20点を獲得した。 |
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近藤さんから逃げ切った稚芳さん |
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サーブを的に命中させる侑君 |
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この20点の加算によって茂山親子はこの時点でファイナル進出が決定。2位で並ぶ加藤、村松親子の負けた方が脱落することになったのだ。
第3ステージはサーブを的に当てる、コントロール対決。ボーナスステージでもポイントを獲得できなかった村松保弘さんはここで何とか一矢報いたいと思っていた。その中、最初に挑戦した侑君が天才ぶりを発揮して3球中2球命中という離れ業をやってのける。 |
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しかし、次に挑戦する加藤親子は最も技術レベルの高い親子。保弘さんは1球でも当てて勝利をより確実にしたかった。しかし、結果は0。加藤親子の追撃ムードを残してしまった。一方3球以上命中させればファイナル進出となる加藤親子は佐代子ちゃんが決められない。また父、公彦さんも惜しいラインにボールを運ぶもののヒットできない。結果、村松侑の当てた2球が決勝点となり村松親子をファイナルへと進めた。 |
ここでも貢献できなかった村松保弘さん。ファイナルステージは息子とコンビを組んでダブルスを戦う。3ポイント先取で優勝が決まるダブルス。
この試合は当初、村松親子が優位に立った。茂山玲奈ちゃんのミスと侑君のドライブ攻撃で2ポイント連取した村松親子が一気にマッチポイントを迎えた。しかし、次に侑君のスマッシュはネットにかかり、続いて茂山親子のスピードを殺した返球に保弘さんが対応しきれずに痛恨のミス。デュースに持ち込まれてしまったのだ。ここでも保弘さんは勝利に貢献していないように見えた。 |
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ファイナルは茂山親子対村松親子 |
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デュースからスマッシュを決める侑君 |
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しかし、実は耐えてつなぎ、その結果が相手のミスを誘い、侑君の攻撃を生み出していた。父がつないだ末の侑君のスマッシュでアドバンテージ。更に侑君のサービスポイントで優勝を決めた。この優勝は紛れも無く、二人の力で勝ち得たものだった。 |
試合後、侑君は言った。
「父さんは、最後まであきらめなかったところが・・・いいですね」
そして父が言った。
「侑のおかげでファイナルステージ進めたんですけど、自分は何一つポイントを稼いでいない。全部足引っ張っている。でも、ほんとはもっと、物凄く怒りたかったんだろうけど、でも『お父さんいいよ。次頑張ろう』って言ってくれて自分が情けないなと・・・。でも子供からこんな言葉かけてもらえるんだと思うと、それがなんか嬉しくて、なんか・・・」
保弘さんは泣いた。
村松侑君と保弘さん。この親子チームが卓球対決、王者となった。 |
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試合後、涙を見せる保弘さん |
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