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教えてドクター

視聴者の皆様から健康天気予報の予報ジャンル*についての
疑問や質問をドクターにお答えいただきました。

血圧

  • 上の血圧は正常範囲なのですが下の血圧はいつも高いです。どうしてこのような事がおこるのでしょうか?どうしたら下の血圧だけ下げることができるのでしょうか?
    あと、下が高いと将来、上も高くなりやすいともききました。本当ですか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

若年では、循環血液量が増加し、交感神経が亢進し、血圧が上昇します。
若年高血圧では心拍数が増加していることが多く、最低血圧が十分低下することなく、次の心拍が始まります。 したがって、心拍数を低下させることが、最低血圧を低下させることになります 心拍数を低下さえるには、交感神経の緊張を低減させることになります。心拍数の増加は、肥満、メタボリックシンドローム、運動不足、不眠、睡眠時無呼吸症候群などで生じます。 したがって、まず、定期的な運動を行い、加えて良質な睡眠をとることが重要です。
十分証明されているわけではありませんが、本当だと思います。 最低血圧が高いと、交感神経や循環血液量が増加しており、この状態が長く続くと、血管が硬くなってきます。すると、最大血圧も上昇してきます。

  • 体重の増加とともに血圧が上昇してきました。体重1キログラムとの関係はどのくらいでしょうか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

肥満は高血圧のはっきりしたリスクです。 しかし、両者のはっきりした数量的な関連は、個人差が大きく、大まかな目安でしかありません。 大体の目安として、体重5kgの増減が、血圧5mmHg程度の減少につながります。 この、5mmHgの減少は、脳卒中や心筋梗塞の20%程度の低下に関連します。 さらに、肥満の方は合わせて、減塩を合わせて行うことにより、さらに体重が減少し、相乗的に血圧が減少します。体重が増加気味の方は、ぜひ、減量と減塩を同時に努めてください。

  • 睡眠時無呼吸症候群になったら急激に血圧が上昇しました。
    無呼吸と血圧の関係を教えてください

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

睡眠時無呼吸症候群では、夜間睡眠中に呼吸が周期的になんども
停止することにより、覚醒反応が引き起こされます。それに続いて、交感神経の亢進が生じ、血管を収縮させ、心収縮力を増強し、血圧を増加させます。
睡眠時無呼吸症候群は、夜間無呼吸時の急激な血圧上昇を伴う、夜間高血圧をきたしますが、昼間の血圧も上昇します。複数の薬剤を用いて降圧療法を行っていても、血圧が低下しない治療抵抗性高血圧の患者では、ぜひ、その背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていないかを検討してください。

  • 中学生の子供が起立性低血圧です。めまい、耳鳴り、頭痛の症状があります。
    薬で改善していますが、ずっと飲み続けなくてはいけないのでしょうか?
    食べ物やそのほかで改善できないものでしょうか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

本来は急に立ち上がった時、重力で下肢に溜まろうとする血液を、
瞬時に戻そうとする力が備わっています。
起立性低血圧とは、何らかの原因で元に戻せず血圧が下がってしまう病気です。
薬はずっと飲み続ける必要はありません。 特に、中高生では成人する過程で、
体質が変わることも多いです。 食塩や水分、またたんぱく質の多い食事、
特に朝食をしっかり取ることが重要です。
また、生活習慣を規則正しいものにし、夜ふかし、朝寝をしないように
することが大切です。  

  • 更年期世代になると血圧はなぜ高めになるのでしょうか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

心臓血管を保護する働きのある女性ホルモンが減少することが大きな要因です。 更年期になると、ホットフラッシュといわれる、顔や四肢のほてり感が出現することがあります。 最近の研究では、このホットフラッシュが多い方では、血管内皮障害や動脈硬化、さらに高血圧が多いことが明らかにされています。 したがって、更年期から、定期的な運動をはじめ、良質な睡眠をとるように心がけるといいでしょう。

  • 血圧が高めと診断されました。水を多めに飲んだら、
    血液がさらさらになって血圧が下がりそうなきがしますが、
    実際はどうなんでしょうか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

全く、そのようなことはありません。
水分を多くっても、その大半は体の中から尿などで、排出されてしまいます。 
しかも、大量に水分、たとえば500mlを一度に飲むと、交感神経が亢進して、血圧上昇がもたらされるという報告もあります。
ですので必要以上のがぶのみは避けてまずはウォーキングなどの運動や減塩、脂っこいものを避けるなど食事を見直すことが大切です。

  • 血圧の薬は飲んでいるんですが、急に高くなった時の応急処置を教えて下さい

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

まずは、日頃からご自分の血圧を把握することが大切です。
家庭血圧計で、起床後1時間以内と就寝直前に2-3回測定してください。
その平均があなたの家庭血圧になります。
家庭血圧が135/85mmHgを超えていたら、高血圧治療が必要になります。
治療をしていても、
急に高くなった時は、できるだけゆっくり深い呼吸をするようにしてください。
血圧は変動するものですので、急に高くなっても、何時間も続かなければ問題ありません。

  • 私はアロマリフレクソロジー(マッサージのようなもの)の仕事をしています。高血圧の方には施術しない方が良いのでしょうか?
    それとも健康のために施術した方がよいのでしょうか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

施術しても問題ありません。
むしろ末梢循環がよくなり、良い効果がもたらされます。
ただし、マッサージを受けていて、痛みなどでカラダの緊張が強くなると、一時的に血圧が上がる可能性が有りますので、力加減に注意し、心地よく感じてもらえる程度に、受けている人をよく観察しながら行なうのがよいと思われます。

  • 病院で血圧を測るとどうしても緊張して高くなります。
    どうしたら家で測るようにできるか、良い方法を教えて下さい。

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

病院での血圧を下げることよりも、自分の血圧を正確に把握することが大切です。
まずは自分の家庭血圧を知りましょう。 起床後1時間以内と就寝直前に2-3回測定してください。
その平均があなたの家庭血圧になります。
家庭血圧が135/85mmHgを超えていたら、高血圧治療が必要になります。診察室血圧だけが高く、家庭血圧が低ければ、白衣高血圧ということになり、直ちに降圧薬を服用する必要はありません。しかし、白衣高血圧では将来、治療が必要な高血圧に進展するリスクが2-3倍高いことから、家庭血圧が上昇してこないかを注意深く経過を見る必要があります。

  • 最大血圧と最小血圧の差が大きい方が良いと聞きます。
    本当でしょうか?また理想的な差はありますか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

全く逆です。
最大血圧と最小血圧の差(上の血圧と下の血圧の差)の事を脈圧といいます。
例えば上の血圧が120(mmHg)で下が70(mmHg)の人の脈圧は50(mmHg)ということになります。
50-60歳代から、上の血圧は高いのに下の血圧が下がっていく人がいますが、これは脈圧が増え、太い血管に動脈硬化が進行し、血管が硬くなったサインであることがあります。
理想的な脈圧は40-60mmHg程度でしょう。
血圧は上の血圧ばかり気にしがちですが、ぜひ脈圧も気にしてみて健康生活に役立ててみて下さい。

  • 高血圧症は遺伝するのか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

食塩を取ると血圧が上昇する体質や、血管抵抗を規定する細動脈の動脈硬化の進展度など、一部遺伝するものもあります。
また、幼少時期の親の好みや食生活のパターンが、子供に引き継がれることがありますので、家族に高血圧症の方がいる場合は注意が必要となります。
バランスのよい食生活や運動など心がけましょう。

  • 将来的に適度な血圧を保つために、心がけるべき食事は 何かありますか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

血圧を上げる大きな要因である塩分の摂りすぎに注意しましょう。
例えば、魚には塩ではなく、レモンをかけることで、うす味を補うことも工夫のひとつです。また、甘いものや動物性脂肪の取りすぎも注意しましょう。
積極的に摂取したいのが食物繊維を多く含む食品やEPAを多く含む青魚、野菜が多く入った食事をバランスよく摂ることがお勧めです。
それ以外に、運動、よい睡眠も心掛けてください。

  • 低血圧と貧血の違いは? 低血圧だと朝起きられないというのは本当ですか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

低血圧は、上が100(mmHg)未満と血圧レベルが低いこと、貧血は酸素を運搬するヘモグロビンの量が低下することによります。
低血圧の場合は、血液が臓器までいきわたらならことから、そして、貧血の場合は酸素不足から疲れやすくなることがあります。
そのため、どちらの場合も朝起きられなかったりする症状が出ることがあるため、「低血圧だと朝起きられない」というのは間違いではありません。

  • 高齢者の血圧を健常者の血圧まで下げる必要があるのか?
    降圧剤は飲み続けて大丈夫なのか?

ドクターからの回答

自治医科大学 苅尾先生

血圧は年齢によって若干目標数値が異なります。
80歳までは上が140、下が90まで下げることにより、脳卒中や心筋梗塞が予防できるそうです。
また、80歳以上の方で上が160以上で、下が90以上の方は、血圧を下げた方がよいそうです。
薬は、高齢者でも、ふらつき、倦怠感、などの症状でたり、上が100未満にならなければ、飲み続けて大丈夫だそうです。

  • この春、人事異動があり新しい職場に行くと、時々動悸がします。これは病気なのでしょうか?

ドクターからの回答

このような動悸は様々な原因が疑われますが、そのひとつとして「職場高血圧」が考えられます。 「職場高血圧」の原因はストレス。
本来なら、一旦ストレスで血圧があがっても、間もなく下がります。
しかし、その状態が慢性的に続いてしまうと高血圧を招く事になります。
動悸を伴う高血圧は心筋梗塞などにつながる恐れもありますので、まずは血圧を測り、気になる値が続く場合は早めに医師の診断を仰ぐ事も大切です。