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第220回(9/5)

“まだ大丈夫”が危ない!診断基準改定 糖尿病最前線

ゲスト 手塚理美 プレゼンター 深沢邦之

糖尿病は、日本人のおよそ5人に1人がかかっているといわれる国民病。その糖尿病の診断基準が、7月から変わりました。

ヘモグロビンA1c

7月から「ヘモグロビンA1c」が、新しく糖尿病の診断基準に加わりました。ヘモグロビンA1cは、別名「糖化ヘモグロビン」とも言い、ヘモグロビンにブドウ糖がくっついたものです。高血糖になると多くのブドウ糖がヘモグロビンとくっつくため、このヘモグロビンA1cの割合が増加するのです。
この数値は、過去1~2ヶ月の血糖値の平均を反映するため、食事等で変動することはありません。

・7月からの糖尿病新診断基準
ヘモグロビンA1cが6.1%以上かつ、
(1)空腹時血糖値が126mg/dl以上
(2)随時血糖値が200mg/dl以上
(3)ブドウ糖負荷後2時間値が200mg/dl以上
のいずれかを満たせば、1回の検査で糖尿病と診断されます。

欧米人に比べると、もともとインスリンの分泌量が少なく、血糖値を下げにくい体質の日本人。
高血糖の状態が長く続くと血液中のブドウ糖が血管にこびりつき、細い血管が詰まります。するとそれが、糖尿病の三大合併症の原因になってしまうのです。

糖尿病の三大合併症

(1) 神経障害
足先のしびれや感覚障害。重症になると壊疽を引きこします。
(2) 網膜症
網膜の毛細血管がつまり、酸素や栄養分が供給されなくなって失明することもあります。
(3) 腎症
腎臓の毛細血管が詰まる事でろ過機能が低下し、腎不全などになります。

さらに、血糖値の急激な変動が食事のたびに繰り返されると、血管が強いダメージを受け、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まります。血糖値の食後の変化が大きい人は要注意です。

糖尿病は、早期発見が何よりも大切です。血糖自己測定器などもあるので、空腹時だけでなく食後の血糖値を測るのも良いでしょう。
また、今正常であっても暴飲暴食や運動不足が重なれば、糖尿病は起こる可能性があります。
糖尿病は生活習慣病ですので、起こる前から生活習慣を改める事が一番大切だと言えます。