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あらすじ

地元のコミュニティーFMで、音楽番組のDJを務める権藤明子(高畑淳子)。彼女の夢は、少年院を退院することになっても引き取り手がない子供たちのための施設を建設すること。保護司でもある彼女は、そんな親に見捨てられた子供たちを数多く見て、心を痛めてきた。

ある日彼女は、大野由佳(荒井萌)という16歳の少女の担当になる。父親・忠治(田中健)は会社経営、母親・雅子(高橋ひとみ)はダンスなどを通じて地元の福祉にも貢献するなど、経済的には恵まれた環境で育っているにもかかわらず、彼女は万引きの常習犯だった。初回面接の日、明子は由佳の左手首に無数の傷跡を見つける。リストカット。そんな彼女が面接の最後に漏らした「幸せになりたい」という言葉が明子は心に引っかかっていた。

由佳の家族は再婚同士で、父親の連れ子の小学生の弟がいた。両親ともなぜ由佳が万引きをするのか、まったく理解できないと言い、ただの好奇心ぐらいにしか考えていない。特に父親は自分の跡取りである、小学生の弟の中学受験にしか関心がないようだ。

面談の日、時間になっても現れない由佳を心配した明子は、CDショップで万引きをしようとした由佳を発見する。ドボルザーク「新世界」。なぜこの曲を・・・?由佳は答えようとしない。

万引きを寸前に防止したことを聞くと、由佳の両親は喜んだ。しかし娘を心配することもなく、自分達の世間体しか気にしない態度に明子は不信感を抱く。

そんな時、明子の担当で、夫・健郎(平泉成)が経営する会社で働いていた保護観察中の少年・治(太賀)が、職場に姿を見せなくなった。

そして由佳もまた、心の闇が癒されぬまま、明子の思いをよそに姿を消してしまう・・・。

子どもを救うには、親の理解と愛が必要だと訴え続ける明子。

明子の叫びは、由佳や治の両親の心に届くのか…。

明子の献身的な無償の愛は、由佳と治を救うことが出来るのか…。