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中日クラウンズ思い出⑩

2010年51回大会 石川遼選手の「奇跡のラウンド58を出しての優勝、中継の思い出2回目です。

最終日の石川遼選手は、前半28 7つバーディを獲り、首位との6打差を抜き去り、一気に首位に踊り出て、会場の名古屋ゴルフ倶楽部和合コースの、1万6千人近いギャラリーは異様な興奮に包まれていました。

 

『中日クラウンズ』最終日の実況は、生中継ではなく、中継録画、いわゆるおっかけ再生、実況アナ、解説は目の前のテレビに映る映像を見て生感覚で実況をします。(編集はありますが)この日も中継録画でした。

 


何故、最終日は録画で放送されるのか?ゴルフという競技は、終了時間が読めません。最終組ホールアウトを午後3時に設定しても、悪天候や。プレーオフになると1ホールでおよそ15分伸びます。30分延長しても2ホール分は入るかどうか?生放送しても肝心の優勝者がわからないのでは、視聴者もストレスです。某局のように編成を比較的自由に変えられる放送局は、数時間延長、セカンドチャンネルを駆使できるので、「日本オープン」などは生放送です。民間放送の最終日中継は、録画がほとんどという状況です。

CBCのクラウンズの中継の場合は、最終日は12時位から15時位のまで最終組のオールアウト優勝者決定まで収録。尺調整をして15時から17時位にオンエアします。(年により30分ほど変わりますが)プレーオフになると15時に放送は始まっているのに、プレーオフはまだ終わっていないという状況もあります。プレーオフ決着すると、最後に急いで編集して改めて入れ込むという作業は、慌ただしく本当に大変です。

この51回大会も、最終組が11番ホールに来たら 放送収録開始の予定、まだおよそ1時間先、石川選手の猛チャージで会場は興奮状態の中、放送席に入りマイクテスト、通信テスト、打ち合わせ12時開始予定の収録前に、ここまでの石川選手の前半のプレーをVTRで確認した後、ライブのプレーが送られてきました。(映像は収録も、音声は現場音のみ)10番ホール11番ホールもドライバーを振り抜き飛距離は300ヤードオーバー(普段より5%飛んでいたと証言)セカンドショットはサンドウエッジのアプローチで1メートル以内につけて、簡単にバーディ、勢いは止まらず、これで8番から11番まで、4連続バーディ、スコアは-10、もう2位に3打差をつけ、逆転優勝もみえてきました。いったいどこまでスコアを伸すか、大会の歴史に残る偉業がなされようとしている、ここまで既に前半アウト9ホールで7バーディ。ハーフの28ツアータイ記録、さらに2個バーディを積み上げ、9個のバーディあと3個加えるとで18ホールで12個のバーディのクラウンズ新記録、ツアータイ記録です。だれも、もうスコアを落とすようには見えない、石川選手はサイボーグになったかのごとく、冷静で迷いがありませんでした。

そして私の心中は、「早く放送したい」とあせる気持ちと「自分の言葉で、この快挙を伝えなくてはならない」興奮と緊張、責任感が渦巻く複雑な心理状態に。音声収録直前も石川選手は、13番パー3ティーショットはピンに一直線。すわ、ホールインワンかのスーパーショットはカップをかすめ、パー。14番ホールは、グリーンをわずかに外しておよそ10メートル、しかし、吸い込まれように3打目が決まりバーディ。これで10個目の赤丸。トータル-11ともう誰ももう止められません。すべてがうまく行き過ぎて、神がかった状態。いったいどれだけのスコアを出すのかと、恐怖心さえ覚えました。10バーディということは残りすべてパーで終わっても「60」クラウンズ・和合の新記録が生まれます。もう一つバーディが出ると、ツアータイ記録の「59」のはずなのに、冷静さを欠いていて私は、ツアーベストスコア生まれることが、頭から飛んでいました。そんなスコアが最終日、優勝者が出すことはまずありえない、という常識、固定観念から抜け出せずにいました。そして、いよいいよキューが振られ、実況収録が始まります。

またまた行数を使いすぎました。クライマックスの続きは、また次回に、、、

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