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●映画「カツベン」

 最新映画「カツベン」について、周防正行監督にインタビューしました。
カツベンとは、活動弁士のこと。
今から100年ほど前、映画黎明期の大正時代を中心に活躍しました。当時「活動写真」と呼ばれた無声映画に、セリフや解説をつける職業のことで、活動弁士が映画の人気を左右するといっても過言ではないほど重要な役割を担っていました。

  当時について、周防監督は・・・


「日本だけなんですよ。活動弁士のおしゃべりそのものが聴きたくて、映画館に足を運ぶ時代があったなんて。時に、ポルノ調だったり、人情語りだったり。彼らは、映像を見て、脚本から書くんです。映像をつくった監督にしてみたら、カツベンによって、内容をいかようにも変えられちゃう危険性もあるんだけど(笑)。観客にしたら、毎回がライブで同じものを毎日に観ても飽きない、そんな時代があったことを知ってほしくて。今や、映画は、デジタル化がすすんで、スマホの画面でも見られる時代、全然違いますね。」

主役を演じた、成田凌さんの見事なカツベンぶりについてー

「クランクアップの前に2か月くらい、みっちり、実際の活動弁士の方に指導してもらいました。本来、黒子としてのカツベンですが、今回は、もちろん表情や動作のアップもあると想像してくださり、彼に、立ち居振る舞いまでアドバイスしてくださったようです」

カツベンが表現する白黒の無声映画も、監督の撮りおろし。

「『ノートルダムの鐘』など当時の映画を使うと、そこだけリアルな過去に戻っておかしくなる気がして。でも実際のものを忠実に再現しているものもあるんですよ」と監督。

そんなこだわり方を含め、「カツベン」は、コメディのテンポや、ワンカメでみせるドタバタ劇など、古き良き時代の撮影手法がつまった作品。

「この映画そのものをカツベンの時代の空気感にしたかったんです。撮影場所を探すのが大変で、日本中観て回りました。愛知も出てきますよ!」

市政資料館です。みなさんどのシーンか探してみ
てくださいね。
最後に、これからの映画界について伺うと・・・


「いい悪いではなく、変わらざるをえないんじゃないかなと思います。この映画も、無声映画の終わりに突入する時期を描いていますが、時代の流れの中で、そのときにあわせた作品を作っていくしかないんじゃないかと。」

しかし、人々が笑い、熱狂する作品の力はいつの時代もかわらないはず。そんな温度がたっぷりつまった映画「カツベン」12月13日公開です。


 

 

 

 

 

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