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●映画「長いお別れ」

認知症を患った「お父さん」と家族の7年間を描いた映画「長いお別れ」
を観てきました。
重いテーマを扱ってはいますが、残された人々がどう生きていくかにスポットを当てた、前向きな気持ちでいっぱいになる映画でした。

監督・脚本をつとめた中野量太さん。


「家族のかたちに正解なんてないと思うんです。でも、この映画で、どんな形にせよ、家族っていいなと思ってもらえたら嬉しいです。」
前作「湯を沸かすほどの熱い愛」で、アカデミーをはじめとした国内34部門もの映画賞を獲得した監督、これまでも家族をテーマに名作を生みだしてきました。
「今、何を送り出すべきか、常に今、観てほしいものを撮りたいと考えています。原作を読んだときに、自然に脚本のアイデアが浮かんできて、自分ならこうするなとワクワクしました。」

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「最初は怖そうだなとドキドキオファーさせていただきましたが、そのお話を聞いたときに、半分はもらった!って思いました。笑。だって、そう思っていたということは確実に演じられるということですよね。」

一方、周りを固める大女優の中には、最初の脚本のイメージを変えさせた人もいる。

「松原智恵子さんです。とにかく、いい意味で、天然なんです。姉妹役の竹内結子さん、蒼井優さんといると、母親役のはずなのに、末っ子みたいで・・・笑。リモコンを操作してテレビを消すシーンでは、どうしても「ピッ」って声に出しちゃうんですよ。声はいらないですよ。と言って、撮りなおしても、また「ピッ」って。笑。」

そんな松原さん演じる母親は、ほがらかに夫に寄り添う。しかし、長い月日を経てクライマックスで発する一言には、思わず涙せずにはいられない。

僕は、この映画で泣かせようと思って撮ったシーンはひとつもないんです。なぜ、涙がでるかというと、その人の本質に触れるからだと思います。一人一人が持つ、「その人らしさ」を描きたいと、常に思っています。」

「いろんなことが遠くなるんだよ。」劇中に出てくる父親のセリフが胸にささるこの映画、遠くなればなるほど浮き彫りにされていく家族のそれぞれの人生、そして、遠くなればなるほど近くなっていく家族の距離。

「悪いことばかりじゃないはずです。もちろん認知症は大変なんだけど、そうじゃないこともあるっていうところを感じてもらえたら嬉しいです」
来るべき時代に多くの人が覚悟しなければならない「長いお別れ」
映画の中で、たくさん笑い、涙し、観終わるころには、少し心の準備もできているはずです。

「長いお別れ」
5月31日(金)より全国ロードショー

 

 

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