テレビ局に
理系出身者が就職しても、
技術職でしか学んだことや
好きなことを生かせないと
思っていませんか?
CBCテレビでは多くの理系出身者が
さまざまな部署で活躍しています。
理系だからこそ実感できる
テレビ局の面白さは何なのか。
さまざまな年代、
職種の理系出身者が集まり、
本音を語り合いました。
江口彰吾(総合技術部・1994年入社)
工学部 電子機械工学科出身
川原竜(株式会社CBC Dテック出向・2000年入社)
理工学部 光工学科出身
槌田一平(株式会社ケイマックス出向・2005年入社)
工学研究科 物質制御工学専攻出身
柴田知宏(コンテンツ戦略部 東京駐在・2007年入社)
理工学部 社会環境工学科出身
長谷川琢也(IT戦略部・2012年入社)
芸術工学部 芸術情報設計学科出身
大野和之(報道部・2017年入社)
工学部 応用自然科学科出身
僕は大学のときカオス理論の研究していたんだけど、みんなは仕事の中で、理系が役立ったことはある?
カオス理論って理学系ですか?
数式、情報工学。番組宣伝を担当していたときにデータを元にした予測をやって「あ、これ昔やったなー」って。二十数年ぶりに繋がった(笑)で、今はテレビビジネスの予測をやっていて、こういうの自分好きだったよなー、もっと勉強しておけば良かったなーというのが現状。
僕は太陽光発電の理論。どの材質の発電効率がいいか実験してました。今までの経験職の中で役立ったことは直接的には無いけど、取得したデータをグラフにして他部署と共有する、なんて業務を今やっていて、似ている所がありますね。
僕は“ハンダゴテのハンダの材料を地球環境に優しいものにできないか”という研究をやっていました。今の仕事に直接役立つことはほぼありません(笑)ただ、広く考えると、論理的なものごとの進め方やプレゼンの仕方などは、当時の経験が役立っているかな。
僕は地下鉄副都心線の掘削工事の研究をしていて、毎日200個くらいの土の塊を潰したり、成分を計測したり。地下の暗い部屋でずっと土をながめていた。仕事で生きていると思えることは無いけど、実験は今でも好き。番組づくりでもよく言いますね。「実験的にやってみよう」とか。
僕はゴリゴリの理系というより、少し文系が入った理系という感じで、3D映像の研究をしていました。3D映像において背景のぼかしが有効かどうかを実験で数値化していたのですが、仕事でその研究は全く生きていません。
背景をはっきりさせる仕事だもんな、今は(笑)
僕は、顕微鏡で覗くときに、見る対象を照らす光をシート状に作る研究をしていました。研究が役立つことは無いですけど、根性ですかね。夜中の2時でも「あー、まだ2時か」と言えます。
所属する放送管理部は、番組とCMの事前準備から放送の送出、電波の送信まで担当する部署です。よく「放送の最後の砦」なんて言われますけど、まさに「放送がきちんと送出されるか」は我々の手にかかっているといっても過言ではないかもしれないですね。
入社は技術職で、主に番組制作技術を長く担当し、その後、新規事業の立ち上げや番組の宣伝、営業の企画業務などを経験して、12年ぶりに技術部門に戻ってきたけど、この12年間の技術革新の早さに驚いてます。
これからも放送技術はIT技術と融合して、ますます進化していくだろうとワクワクしてます。
土日のCBCローカルゾーンでどんな番組を放送するか、その番組のCM時間を決めたりしています。放送後は視聴率データを分析して、どんな番組がどの時間に見てもらえるのか分析を繰り返しています。それとは別に、インターネットに繋がっているテレビから取得出来るデータを利用して、視聴率を上げる戦略を立てられないかという研究もしています。最近では5割くらいのテレビがインターネットに繋がっていると言われていて、こういった研究は今後もっと重要になっていくと思っています。理系職員が活躍する場面がどんどん増えていくのではないでしょうか。
今はCBCグループ会社のケイマックスに出向し、Amazon Prime VideoやABEMA、テレビ東京のコンテンツ制作をしています。
現在担当しているのは「紙とさまぁ~ず(Paravi /テレビ東京)」「なぎスケ(Amazon Prime Video)」「ななにー(ABEMA)」などです。入社してすぐは報道記者をして、そのあとバラエティ番組のディレクターやプロデューサー、情報番組の演出など、色んな現場で働いてきました。
僕はお昼の『ゴゴスマ』の総合演出をしています。番組2時間の設計図を書く仕事です。また、制作の魅力はVTR作りで言うと、自分が作ったVTRで出演者の皆さんがドーッと湧いてくれたときには、何にも代えがたい快感がありますね。人を笑わせたとか泣いてくれたとか。そういうのってずっと心に残っていて、次も、また次もという気持ちになりながら番組を作っています。
僕は報道記者になって5年目。普段目が向けられていない社会的に立場の弱い人にスポットを当てるとか、自分の納得のいく放送ができたときにやりがいを感じます。あと独自映像を撮れたときとかもアドレナリンがめちゃくちゃ出ますね。取材VTRの構成を考えるときに“飛躍していないか”“矛盾していないか”ロジカルに展開させることに理系が生きているって思います。
入社してすぐは、放送管理部でテレビマスターを担当していました。今は放送技術部でVE(ビデオエンジニア)をしています。
VEとはカメラで撮影する映像の明るさや色味を調整したり、スタジオやサブの映像系統と機材を管理する仕事です。
使い方を覚えなければいけない機材がたくさんあり、自分の思い通りに機材を操ることができるよう修行の毎日です。
インターネットが普及して、テレビは絶対的な王者から相対的な王者になったというのが実感です。クライアントにテレビの媒体価値を説明し実感していただくためにデータでテレビの価値を見える化する、これは理系の方が得意だと思います。さらに文系の人にもそれができるような環境を整備したいと思ってます。
番組づくりに関しては理系・文系どちらでもいいと思っています。理詰めで作る人もいれば、感覚で作る者もいる。ちなみに、理系は何かに打ち込んで研究することが多いと思いますが、その経験はこの業界に入ってからも活かせると思います。
僕、結構文系だと間違われるんですよねー。理系って言うと驚かれる。
どこで方向転換したの?推薦受けてメーカー行くのが王道でしょ?
文系・理系って高校生でどっちにするか決めると思うんですけど、どっちでも良かったんですよ。でも理系に行っても文系に変えられるけど逆は無いよって言われて。そのまま理系でやってきて、就活で僕は何がしたいんだろう?ってフラットに考えました。なぜテレビかというと、身近なエンターテインメントだったから。楽しそう、これにしよう!と。
僕は技術だと思っていたのに初配属は生活情報部(現・情報制作部)。1回も技術を経験しないまま9年目です。でも生活情報部・報道部を経験して今はその楽しさに気付いて、技術に行きたいとは全く思わなくなった。
大笑い
適応能力がすごいねー。
技術の面で理系的な感覚は必要だと思います。不具合が起きたときなど、原因を突き詰めて考える。原因を理論立てて場合分けして考えることが必要です。
放送技術に文系の人はいないですよね。そもそも皆さんは入社前から、放送局の技術職ってどういうことをやっているか分かって入社しているんですか。
いや。テレビ局って楽しそうだな、理系だから技術かなって。
僕は就活しているときは報道や制作にも興味があったので、志望は記者やディレクター、カメラマンと言っていました。
へー!
僕は技術が第一志望!テレビのロケを見ていて、たまに映り込むカメラやマイクを持った人たちが、かっこいいなと思って。就職活動をしていたときにサッカーの中田選手がオーバーヘッドでシュートを決めた瞬間を見たんだけど、これってカメラマンいなかったら見られなかった。機材を使って感動を伝える裏方に魅力を感じたな。
槌田君は制作の現場にいて理系だから役立ったことはある?
僕、思うんですけど、バラエティー番組作るのに適した学部ってあるのかなって? 僕は理系だろうが文系だろうが一つのことに対してめちゃめちゃこだわってる人間は強いと思っています。文系でもぶっ飛んでいる人は面白いし、何のこだわりも無い人間は文理問わず面白く無いと思いますね。
迷いながら理系にいる人っていっぱいいると思うんです。疑問に思っている人は来てみたら面白いんじゃないかな。
分かります!僕も理系からちょっと離れたい気持ちありましたもん。離れたくてテレビの世界に入りたいという気持ちがちょっとあった。
隠れ理系とか、はぐれ理系みたいな?
おーっ!(感嘆)
言葉で言うとそういうことだよね。メーカーに行くのが理系のエリートだとしたら、放送局に行くのは、そういう表現だよね。
理系の学生さんって、もしかしたらメーカーなどに行って、学生時代の研究を役立たせなければいけないと思っているかもしれない。でもそんなことは無いし、固定観念を自分で背負うとしんどいから、クリアにしたらこういう職場もあるよって言いたいです。
ここに来てすごい感情論だけど、情熱がある人と仕事がしたいなー。データを分析したり、機材を使いこなせるように努力したり、根気がいる業務に就いたときでも力を発揮するには意外と必要です。
データを扱うことに抵抗がない理系脳というか、文系の人でも使えるような環境を整えることは大事だと思う。テレビビジネスが大きな変革期だからこその面白さがある。これからビジネスがどんどん変わっていく現場を体験できると思いますね。
理系の人に就活の裏技を伝えるとしたら、まだテレビ局の総合職を受験する人は文系が多いと思うので、理系の経験や考え方を意識してアピールすれば他の受験者と差別化ができていいと思う。
僕も理系の研究・分析能力はアピールしたほうがいいのかなと思います。今、会社で活躍されている理系の先輩は探究心や原因分析力がすごい。システムを組むときの、0から1を作り上げる力をアピールしたらいいんじゃないかな。番組づくりも0から1を作りあげるものだと思っていますし。理系の出身者はその力をデータ分析で生かすのも有りだし、番組を作り上げる方向で生かすのも有りなんじゃないかと思います。
メーカーだと3年とか5年とかの長期スパンでの仕事が多いけど、テレビ局の番組制作は長くても半年とか1年。報道やスポーツなどは、今起きている出来事をすぐに放送したりするので、短期的に成果物を出す仕事が多い。その分、自己反省や周囲のリアクション、視聴データなどをすぐに次の制作に活かせるのがよい。
ものを何かつくりたい、表現したい人だったらテレビ局は向いていると思います。面白いもの、感動するもの、泣けるもの、そういうものを作りたい人。それを0から生み出すためには好きじゃなかったらできない。こういうもの作りたいという思いがあれば、それをやらせてもらえるのがCBCだと思います。