番組審議会

第647回CBCテレビ番組審議会

開催日 2019年2月8日(金)
出席委員
(敬称略)
鵜飼裕之、河本二郎、島田佳幸、清水綾子、
巣山芳樹、戸苅創、濱田典保、水野明久、
吉川トリコ
書面参加
(敬称略)
黒邉雅実
議題 1. 番組審議

「濱田岳アマゾン体感 暴れ怪魚と猛牛大移動」

1. 番組審議「濱田岳アマゾン体感 暴れ怪魚と猛牛大移動」

放送日時 2019年1月26日(土) 14時00分~15時24分
プロデューサー 磯部隆(報道・制作局 東京制作・情報部)、中川陽介(同上)
ディレクター 坂田政度(イースト・エンタテインメント)
出演 濱田岳

《企画意図》

スマートフォンひとつで、買い物、娯楽、テレビ電話、など、家から一歩も出なくても、不自由のない生活を送ることが可能な現代社会。尽きることのない、快適さへの欲求。
しかし、生活が便利になることが、人間が幸せになれることにつながるのか?
この番組の舞台は、世界最大の熱帯雨林を有するブラジル。様々な生き物が生息する生命の宝庫。
文明の快適さとは正反対の環境で暮らす人たちの、大自然の中で生きる力や、謙虚な心を伝える。
生活の中で、小さな自然の変化を感じてきた日本人にも、彼らの生活は共感できるはず。生きる幸せについて、改めて考えるヒントとなるドキュメンタリー。

《番組内容》

都会育ちの俳優・濱田岳が、生命の宝庫・アマゾンを抱えるブラジルで、生き物と向き合って働くお父さんたちの大仕事を体感、大自然の中で暮らす彼らの心を知る。
ピンクの肌をした珍しいピンクイルカなど、珍しい生き物が潜むアマゾン川では、妻と3人の家族を支える漁師・ハイムンドさん(38)に仕事を教えてもらう。
世界でも珍しい川の上の浮き家の町の生活に密着する。
そして、1億年の間、姿を変えていないといわれる、巨大な古代魚ピラルクの捕獲に挑む。
世界最大級の湿原で、世界自然遺産に登録されている「パンタナール」では、ピアオンと呼ばれるカウボーイ・ニウドさん(30)に仕事を教えてもらう。濱田と同じ30歳のお父さん。手付かずの大自然が広がり、様々な動物が生息する牧場の生活に密着する。雨季には平原の8割が水没する一方で、乾季は水が干上がる、という特殊な環境で、重要な移動手段な馬。野生化した馬を乗りこなし、一度、暴れると手におえない300頭の牛の大移動に挑む。さらに、南米最強の肉食獣ジャガーの、貴重な野生での姿を目撃する。

《審議委員の主なご意見》

  • 環境保護の大切さ、自然と人間との共生方法、食物連鎖の重要性を教える高度な教養番組に仕上がっていたのではないか
  • 生活と自然をうまく組み合わせ、好奇心をそそる、土曜日に家族でのんびりと見る番組に仕立てられていた
  • あるべき未来の自然の姿や野生動物と人との共存について考えることを促すメッセージを伝えていた
  • 番組全体に家族が大事というテーマが流れていてよかった
  • 大自然での生活も変化し人々は適応していくけれども、心は変えちゃいけないと思わせる番組だった
  • 動物自体というよりはアマゾンで暮らす人々と動物の関わりがメインテーマだったと感じ、「暴れ怪魚と猛牛大移動」というタイトルは違うんじゃないかと思った
  • 番組タイトルは子ども向け、内容は大人向けという印象だった
  • 番組タイトルの「体感」という点では薄味だった
  • 番組中に「お父さん」という言葉がよく使われていたが、内容に父親的な要素はなく、働く人の姿を扱っただけなので、「お父さん」という大きな属性をつけるのは相手に失礼ではないか
  • オープニングのダイジェスト映像で目玉の映像が全部見られてしまった
  • 動物や自然の映像が美しかったが、カットが短くもう少し堪能したかった箇所もあった
  • アマゾンの生活者の表面的な部分だけを追って掘り下げが少なかった
  • 漁師とカウボーイどちらかひとつのテーマを掘り下げたほうがよかったかもしれない
  • カウボーイとの夕食の場面では、繊細に言葉を選んで発する濱田岳さんのパーソナリティーが見られよかった
  • 濱田岳さんの人々に対する優しいまなざしが番組を単なるアマゾン旅行の紹介にしなかった
  • 釣りが趣味で、乗馬の技術もある濱田岳さんにとっては、今回は余裕の撮影だったかもしれないが、彼は感じたものを切り取るセリフがいいのでもう少し追い詰めた方がいい言葉が出てくる気がする
  • 熱帯雨林の重要性やそこでの生物種の全体像についての情報もあると、環境のはかなさや生物種の大切さが実感できたのではないか
  • ジャガーが肉食獣の頂点に君臨する一方、古代から崇拝の対象にもなっていることも紹介するとカウボーイの発言にさらに重みが増したのではないか
  • 牛追いの空撮にドローンが使われていたが、これからの自然を相手にしたドキュメンタリーには、ヘリコプターの様に大きな音が出ないドローンの活用は重要だろうと感じた

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