番組審議会

第611回CBCテレビ番組審議会

開催日 2015年6月12日(金)
出席委員
(敬称略)
青葉かおり、小塩 薫、戸苅 創、中井昌幸、野水優治、深田 実、長谷川 靖
(書面参加)浅野幹雄、岡嶋昇一
議題 番組審議「リアルマリオ。~空想と現実のあいだで~」

番組審議「リアルマリオ。~空想と現実のあいだで~」

制作 CBCテレビ 報道・制作局 報道部
放送 2015年5月17日(日)25時30分~26時40分 (70分)
スタッフ ディレクター:下野賢志
撮影:安田耕治
プロデューサー:大園康志
ナレーション:若本規夫(声優)

主な作品
『人志松本のすべらない話』ナレーション
『サザエさん』穴子さんの声

《企画意図》

目に見えない差別、偏見、そして挫折・・・。過去と決別し、ひとが一歩前に踏み出すには、何が必要なのか?「どん底」を味わった男達のもがき苦しむ姿から、その“答え”を探すドキュメンタリー。

《番組概要》

全世界で有名なTVゲームのキャラクター「スーパーマリオ」の衣装を着て、公道用の「カート」で疾走する男たちが、愛知県に出没するという。

人呼んで“リアルマリオカート軍団”。マリオ、ルイージ、キノピオ、ワリオに扮する、アラフォー男たち。道行く人は、ついつい外見のおもしろさに興味を抱き、彼らは格好の被写体に。また、彼らは彼らで、そこで生まれる交流が喜びであり、注がれる視線も心地良いようだ。リアルマリオの面々が乗り込む50CCエンジンを搭載する「カート」は、彼らにとって社会と繋がる大事な「ツール」にも見える。

彼らが街に出没する噂は、インターネットなどを通じて瞬く間に広がり、人気は急上昇。しかし、素顔をのぞくと、暗い過去が・・・。マリオ役の男は、覚せい剤の使用、所持で有罪判決を受けていて、番組取材中に執行猶予期間の終了の瞬間がやってくる。キノピオ役の男は、先天性の血友病が元で精神的に追い詰められ、うつ病を患っていた。ワリオ役の男は、深夜営業の飲食店を陽気に営んでいるように見えるが、子どもの頃にいじめを受けた経験を語り出す。卒業アルバムを見せてもらうと、男の「心の傷」が刻まれていた。

そして、突然訪れる“軍団”の崩壊。愛知県内の児童養護施設35か所すべてをカートで訪問しようと団結していたはずなのに、メンバーの一人が『やめたい』と言い出した・・・。
その真意は?

ワケありの男達。40にして「不惑」にあらず。

背負った事情、過去はそれぞれに違うが、空想と現実のあいだで「前を向き」「もがく」姿をカメラが追った。

リアルマリオは、人生の再起動・リセットボタン。その先に見えるのは・・・。

《審議委員の主なご意見》

  • 取材者の熱意、報道の魂を感じる良い番組である。
  • マリオの格好をした人たちの強烈な生い立ちと共に、実生活が赤裸々に映し出されることで、彼らがどのような経緯で活動してきたか理解できた。
  • 低い声のナレーションで、独特の世界観を作っていた。
  • 主人公たちの人生の再生を描いた感動的な内容で、人間としての存在意義を確認することのすばらしさを感じた。
  • 映像にぼかしがなく、すべてが生の映像で表現されていたのは評価できる。
  • ドキュメンタリーの面白さを感じさせる番組である。今後も共感と感動を呼ぶドキュメンタリー番組の制作を望む。
  • 単なる表面的なニュースに終わらず、取材対象に食い込んで知られざる真実に食い込み、ドキュメンタリーに仕上げた事は評価できる。
  • 映像描写が巧みで、カメラマンの優秀さを感じた。
  • 番組は結論をあえて出さず、事実をありのまま放送することで悩みを持った人にヒントを与えている。
  • 陽があたっていてもそこには必ず影があり、その影にある真実が人々に感動を与えるものだと感じさせられた。
  • 番組の内容が暗く、番組を見た後切なくなった。もう少しプラスの側面の映像を入れて欲しかった。
  • マリオに扮する人たちの実情が描かれ、夢の裏側が見えてしまった気がする。今後の彼らの活動に影響がでないか心配だ。
  • キャラクターに扮した人たちは、子供たちを喜ばすというより自分達の満足感を得たいがための行動ではなかったか。少し偽善的な感じがした。
  • 活動をやめた人、やめなかった人との対比をもっと際立たせて欲しかった。
  • 番組タイトルから内容が想像しづらかったのは残念だ。

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