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BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛

CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分

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2020年1月26日放送
第40回

行列のできる「焼き芋屋さん」密着 人気の裏側には“壮絶な過去”が…

井上咲楽 井上咲楽
阿佐美や いも子さん

今回は、行列ができるほど大人気の焼き芋屋さん「阿佐美や」の舞台裏に潜入。業界のカリスマ的存在で、“いも子さん”の愛称で親しまれている店主の村田洋子さんに密着した。

<子育てと仕事を両立する“カリスマ店長”>
お芋をイメージした紅色の帽子がトレードマークのいも子さん。彼女のお店「阿佐美や」は移動販売の焼き芋店。1本300〜400円というお手頃な価格ながら、多い時で売り上げは月100万円以上。家事と育児の傍らで、週3日お店を切り盛りしている。オープンに向けて最初に行うのは100個ものお芋を洗うこと。擦りすぎると皮がめくれてしまうため、適度な力加減が必要だ。使用するのは「無農薬」や「減農薬」のお芋。小さな子どもも安心して食べられるようにできるだけ農薬の少ないものを使っている。

<絶品の焼き芋を作る“技”>
焼き芋カーで開店準備。そこには、絶品の焼き芋を作るさまざまなテクニックがあった。温めた石の上にお芋を並べていくのだが、よく焼くためには石に接地させることが大切。パズルのピースをはめるように、たくさんのお芋を石の上に敷き詰めていく。さらに、焼く時間も重要。いも子さん曰く、70℃で1時間焼くとお芋本来の甘さを最大限引き出せるという。

<人気の理由は、“おいしさ”と“いも子さん”>
販売しているのは、全国のお芋を食べてたどり着いたこだわりの4品種。ホクホク食感の「紅あずま」やねっとり濃厚な「安納芋」など、お客さんのさまざまな好みに対応している。お店のオリジナルソングを流して車を走らせれば、道行く人に呼び止められるほどの人気ぶり。また、お客さんの中にはいも子さんに会いたくて訪れる人も多い。いも子さんは、焼き芋を販売するだけでなく、焼き芋業界を盛り上げるためにさまざまな活動を行っており、多くのファンがいるのだ。

<苦労の連続“焼き芋”に憧れた幼少時代>
お店をはじめて15年。今に至るまでにはさまざまな苦労があった。とても貧しい家庭で育った幼少時代。将来の希望もなく生きていたといういも子さん。つらい生活のなかで、憧れていたのが焼き芋。
「焼き芋は貴重で憧れがあった。なかなか出会えないし値段が高いし、食べられないなぁと思っていた」
高校卒業後は調理師として働いていたが、4年後憧れの焼き芋屋さんへと転身。しかし、不良品の焼き芋機を購入してしまい“おいしくない”と言われたことも。それから、試行錯誤を重ねて少しずつファンを増やし、今の人気を確立したのだ。プライベートでも、お客さんだった旦那さんと出会い結婚。現在は2人のお子さんにも恵まれ、幸せな家庭を築いている。
「色々失敗したけど今が一番上手に焼けている。今までのつらかったことは今日の為にあった」

<焼き芋界の未来を担う“熱き想い”>
いも子さんは、焼き芋をもっと広めるために精力的に活動を行っている。芋掘り体験教室や、焼き芋店を開きたい人を集めて月に1回のペースで開業講座を開催。さらに、焼き芋店を開業した受講生の元へ行き、長年の経験で培ったノウハウも惜しみなく伝授している。
「焼き芋屋さんだったらできるよって背中を押してあげたいし、あたたかい空間を色んなところで作っていきたい」
目標は、焼き芋協会を作って開業をサポートすること。人生に希望を与えてくれた焼き芋を広めるため、いも子さんの挑戦は続く。

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