BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛
CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分
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今注目のスタイリスト・川上さやかさん。独自のオシャレテクニックをまとめたスタイルブックを出版し、トークショーなども開催するほどの人気ぶり。現在、20~30代の働く女性に向けた人気女性ファッション誌「Oggi」などで洋服のコーディネートを担当。「スニーカー特集」の準備の舞台裏に密着した。
<膨大な数のアイテムを集める>
12ページに渡るOggiのスニーカー特集。川上さんの仕事は「ハイテクスニーカー」をテーマに、モデルが着用する24ポーズをコーディネートすること。集めるアイテムは、スニーカーが約100足、トップスは約300点、ボトムスは約100点。こんな膨大な数のアイテムをどこで集めるのか?その場所の一つが、ファッションブランドのプレスルーム。プレスルームとは、ブランドがメディア関係者に新作をPRする場所で、服の貸し出しも行っている。この日だけで10軒以上のプレスルームや店舗をまわった。
<約300万通りから24ポーズを選ぶ>
借りてきたアイテムは、出版社近くの「コーディネートルーム」といわれる作業場へ。およそ300万通りの組み合わせの中から24ポーズのコーディネートを作る。今回の企画は、3つのスタイルにあわせたスニーカーを提案するというもの。全身を細く見せる「Iライン」、女性らしいシルエットの「Aライン」、上半身にボリュームを持たせた「Yライン」。編集部が書いた絵コンテをもとに、衣装の組み合わせを模索し、スニーカーをコーディネートをしていく川上さん。夜通しで作業すること7時間、24通りのコーディネートが完成した。
<厳しい目が光るコーディネートチェック>
その後、編集部によるコーディネートチェック。Oggiでは、担当編集者、副編集長、最後に編集長の、3段階のチェックを通って、ようやくモデルで撮影できる。しかし、編集長のチェックで問題発生。今回のテーマだった3つのスタイルは、いざコーディネートしてみると3つの違いに関係なく、どのスニーカーにも合うことが分かったのだ。企画の根幹を揺るがす事態。編集長の指示で、急遽企画を練り直す。そして、パンツやスカートなど“4パターンのボトムにスニーカーを合わせるコーディネート”に企画変更された。ポーズは24から28に。ページ数も2ページ追加。撮影まであと3日で、全てのコーディネートを仕上げなければならない。
<撮影で衣装をキレイに見せるテクニック>
撮影ギリギリまで熟考し、新たな28ポーズが完成。いよいよ撮影に臨む。撮影には川上さんも同行。洋服やスニーカーが少しでもキレイに見えるように、カメラの見えないところで服をクリップでつまんだり、パンツの丈を1ミリ単位で調整したりと、忙しく動きまわる。一つの撮影が終わると車へ走り、次のモデルの着こなしを確認。
「撮影をスムーズに進めるためには、自分の動きが遅くてはいけない。1日何着も着替えてくれるモデルの方たちに、一番いい状態で撮影に臨んでもらいたい」
そして、撮影は無事終了。年末には川上さん全力のスニーカーコーデがOggiの紙面を飾る。
<元銀行員という異色の経歴>
川上さんは、実は元銀行員。スタイリストを一生の仕事にしたいという想いから、Oggiで活躍するスタイリストの佐藤佳菜子さんに弟子入りを志願。最初の1年間は、銀行業務が終わってからアシスタントとして修行を積んだ。そして、30歳で独立。トップスタイリストの仲間入りを果たした。
「会社勤めをしていたとき、ファッション誌を見るとワクワクしていた。そういうワクワクやキラキラした気持ちを誰かに受け取ってもらえてたらいいな」
何気ない1日に輝きを。今日も川上さんのコーディネートが街を彩る。