BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛
CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分
行方が分からなくなっていたサビ猫の「こはる」ちゃんですが、放送後、無事保護されました。現在は飼い主さんのもとへ戻り、平穏に暮らしています。番組をご覧になられた方々におかれましては、番組Twitter等でも多くの励ましのお声をいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。
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日本でも数少ない、ペットの捜索を専門に行う会社「ジャパンペットレスキュー」。年間依頼数は、犬や猫を中心に約1000件。行方不明になった大切なペットたちを見つけ出している。今回は、ペットの捕獲率8割を誇る「ペット探偵」の立花正良さんに密着した。
今回立花さんが捜すのは、3歳のメス猫・こはるちゃん。行方不明になってこの日で10日目。飼い主さんが九州から関東へ引っ越してきたその日に家を飛び出してしまった。捜索期間は3日間。夜行性の猫に合わせて、夜11時から翌朝8時まで捜索を行う。
1日目は、依頼者宅の東側を捜索。2日目となるこの日は、主に西側のエリアを捜していく。通常、飼い猫の行動範囲は直径50m~100m圏内。しかし、目撃情報がないため範囲を広げて捜索を行う。道の隅々にまでライトを当てながら、こはるちゃんの姿を捜す立花さん。ライトを使うのは、夜道を照らすためだけではない。猫の網膜には反射板のような働きがあるため、目が光って見つけやすくなるのだ。さらに、光を当てられると立ち止まる猫も多い。猫の生態を知り尽くす、ペット探偵ならではの捜索方法だ。
「光を当てられたぐらいじゃ基本的に逃げない。音に敏感なので、音に気をつけながら捜す」
その後も、さまざまな道具を駆使して捜索を行う立花さん。駐車場ではレーザーポインターを使用。動く光を追いかける猫の習性を利用して、おびき寄せる作戦だ。猫が隠れやすい排水溝では、ファイバースコープを使用。目の届かない場所までチェックを行う。続いて取り出したのは、サーマルスコープ。生き物の熱を感知して映像化するので、暗闇にいてもこはるちゃんを見逃さない。さらに、立花さんは、猫がよく来ると思われる“猫よけ”のペットボトルが置かれている場所や、人気のない空き家を見つけるたびに手に持った地図に書き込んでいく。あらゆる情報を捜索のヒントにしながら、こはるちゃんの行方を追うのだ。
続いて用意したのは、捕獲器。餌につられて中に入ると踏み板が作動して、扉が閉まる仕組みになっている。こはるちゃんの好きな餌を入れて、準備完了。依頼者宅の真裏にある駐輪場に動体検知カメラとともに設置した。その後も捜索を続ける立花さんだが、こはるちゃんの姿は見当たらない。しばらくして様子を見に行った捕獲器の中にもこはるちゃんの姿はなかった。
早朝。立花さんは、近隣の住宅やお店などにチラシを配り始めた。目撃情報があれば、捜索範囲を一気に絞り込めるため、チラシはとても重要なアイテム。捜索終了時間が近づくなか、チラシを配り聞き込みを行う。そして、チラシを配り終えると立花さんの携帯電話が鳴った。さっそく2件の目撃情報が寄せられたのだ。場所は、依頼者宅からわずか100mほどの距離。すぐに目撃者のお宅へ伺い、捕獲器を置かせてもらう約束を取り付けた。
捜索最終日。天気は、あいにくの雨。まずは、猫がやって来そうな場所に捕獲器を2台セット。雨足が強く猫が歩いている可能性は低いものの、付近の捜索を引き続き行う。しばらくして捕獲器の確認にいくと、動体検知カメラにこはるちゃんの姿が映っていた。すぐに辺りを捜索する立花さんだったが、この日こはるちゃんが再び姿を現すことはなかった。依頼者に報告を行い、捜索を続行。保護できるまで、あと一歩だ。
後日、再び捜索現場へ。立花さんは、前回の捜索後寄せられた有力な目撃情報をもとに、3台の捕獲器を設置。周りに人間がいると警戒して近づかない場合もあるので、時間をおいて様子を見る。そして、2時間後。確認にいくと、動体検知カメラにこはるちゃんの姿が映っていた。捕獲器の中まで入ったものの、踏み板の少し手前で引き返してしまったようだ。
「自分に出来る限りのことをして挑んでみたんですけど、悔しいの一言に尽きる」
ペットが無事飼い主にもとへ帰れるように、全力を注ぐ立花さん。今現在も、こはるちゃんを保護するために動いている。