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BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛

CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分

ARCHIVE

2019年9月8日放送
第22回

24時間営業の「歯医者」と「理容師」!続ける理由とは?

原口あきまさ 原口あきまさ
新井恵理那 新井恵理那

365日1秒も休まない歯科医院 大関博通さん(35歳)

365日1秒も休まない歯科医院 大関博通さん(35歳)

突然の歯のトラブルから患者さんを救う

東京都江戸川区にある「空港口24時間歯科・小児歯科医院 江戸川」。ここは、24時間・年中無休の歯科医院。都心から離れた場所にも関わらず、深夜の待合室には常にたくさんの患者さんの姿がある。今回は、院長を務める大関博通さんに密着した。

大関さんが出勤するのは、主に午後4時。仕事は、治療に欠かせない器具の手入れから始まる。24時間診療では、常に誰かが器具を使っているため、出勤したドクターが自ら洗浄を行うのがルールとなっているのだ。器具を滅菌する機械は常にフル稼働。3年前に開業して以来、一度も電気を消したことがない。
「どんな機械も普通の歯科医院の3倍早くダメになります」

24時間開いている歯科医院は、業界でもとても珍しく、元々は2000年に福岡県で開業。2016年東京に分院をオープンした。
「歯の痛みは本当に苦しい。困っている人をなんとか助けたい」
開業すると徐々に評判となり、今では一日中患者さんの絶えない歯医者さんに。なかには、かなり遠方から訪れる患者さんもいる。街が寝静まった夜10時になっても、待合室は患者さんでいっぱい。大関さんは、休む暇もなく次々と治療を行っていく。

多くの患者さんが訪れる理由は、24時間開いているからだけではない。大関さんは、患者さん一人一人と向き合い、治療内容に少しでも不安を感じる患者さんには、ひたすら丁寧に説明し不安を取り除く。さらに、患者さんとのコミュニケーションを深めるため、治療とは関係のない些細な会話までメモ。高い技術と丁寧な対応で、リピーターを増やし続けているのだ。
「24時間やっていても信頼関係がなければその場限りの付き合いになる。信頼関係をしっかり築き、二人三脚で治療をゴールまでもっていく」

24時間眠らない理容院 たった一人で守る理由 茂木洋明さん(46歳)

24時間眠らない理容院 たった一人で守る理由 茂木洋明さん(46歳)

老若男女あらゆるお客さんのニーズに応える

埼玉県本庄市にある「モアステージ」は、24時間営業の理容院。店主の茂木洋明さんが一人でお店を切り盛りしている。

夜9時半。多くの理・美容院は閉まっている時間帯だが、モアステージは大忙し。閉店時間を気にしなくていいので、仕事帰りのお客さんが次々とお店を訪れる。さらに、リーズナブルな価格も人気の秘密。カット料金は、2080円。深夜料金も一切かからない。手頃な価格と確かな技術が人気を呼び、リピーターも多数。おしゃれに敏感な若者も通っている。

「今日切りたいと思うお客さんに対応できるお店を作りたい」
そんな思いから、5年前にスタートした24時間営業。続けていくのは、とても大変だ。夜中になっても途切れないお客さんをたった一人でカット。ずっとお店にいるので、普段は家族とも離れて生活している。家族とゆっくり会えるのは週に一度の定休日だけ。それでも、茂木さんは24時間にこだわり続ける。その理由をたずねると、ある女性客の話をしてくれた。その女性は、がんを患い抗がん剤の影響で髪がまばらになっていた。それを剃るために、誰もいない深夜にお店を訪れたのだ。女性が深夜に訪れるたび、髪を切っていた茂木さん。それは、女性が亡くなるまでの5年間続いた。それ以来、いろんな人の思いに応えるため、24時間お店を開け続けることを強く決心したという。

午前4時。ようやくお客さんの波が止まった。茂木さんは、お店の裏にある居住スペースに移動して、しばし休憩。かなり遅めの夕食を準備する。いつお客さんが来るか分からないため、食事中も常に防犯カメラをチェック。すると、お客さんがやって来た。たとえ束の間の休息中でも、お客さんが来ればすぐさま対応。気づけば朝6時。外はすっかり明るくなっていた。これから、3時間ほど仮眠をとり、朝9時には再びお店に立つという。

24時間眠らない理容院。そこには、お客さんの思いに応え続ける理容師の熱い想いがあった。

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