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BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛

CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分

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2019年7月7日放送
第14回

来日間もない外国人を、一人前の家事代行スタッフに育てる!研修に密着

優木まおみ 優木まおみ
レッド吉田(TIM) レッド吉田(TIM)

「家事代行スタッフ」研修 外国人女性たちを育成 佐藤奈々子さん(30歳)

「家事代行スタッフ」研修 外国人女性たちを育成 佐藤奈々子さん(30歳)

来日して間もないフィリピン人女性たちを3週間で一人前の家事代行スタッフに育てる

共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化でニーズが高まる「家事代行サービス」。業界大手の「ベアーズ」では、市場の拡大に伴い外国人スタッフの受け入れを開始。現在、約5200人の日本人スタッフと150人以上のフィリピン人スタッフが活躍している。今回は、フィリピン人スタッフの新人教育を担当する佐藤奈々子さんに密着した。

6月上旬、12名のフィリピン人女性が日本にやってきた。彼女たちを3週間で一人前の家事代行スタッフに育てるのが佐藤さんの仕事。
「言葉も違うし、文化も違う。私たちが当たり前だと思っていることが、彼女たちにとっては初めてのことなので、難しいところもある」
まずは、フィリピン人女性たちがこれから暮らすことになるシェアハウスへと案内。彼女たちは、これから最大3年間家事代行スタッフとして働きながら、共同生活を送る。フィリピンではメイド文化が浸透しており、家政婦は一般的な職業のひとつ。ベアーズの場合、日本人と同じ待遇で働けるため希望者が多く、厳しい試験に合格しなければ日本で働くことはできない。彼女たちは、いわば選ばれしエリートなのだ。

来日して1週間。佐藤さんとフィリピン人研修生は、ベアーズ社員のお宅を借りて家事の研修。仕事は、掃除・洗濯・炊事など多岐にわたるが、まずは、日本の生活様式やマナーを教えるところから。玄関での挨拶の仕方や、靴の脱ぎ方、揃え方まで丁寧に指導する佐藤さん。日本語に不慣れな研修生のため、身振り手振りを交えて教えていく。さらに、台所やお風呂場などを一部屋ずつまわりながら、魚焼きグリルの取り外し方などの細かい部分までレクチャー。指導する上で大切なのは、日本とフィリピンの文化の違いを理解してもらうこと。
「ただダメというのではなく、しっかりと理由を伝える」

3週間にわたって、日本の文化や家事を学んできたフィリピン人女性たち。この日は、いよいよテスト。2人の研修生がお客さんのお宅へ行き、実際に業務を行うのだ。佐藤さんは、彼女たちの仕事を一つ一つチェックし、現場デビューできるか否かを判断する。お客さんの家に向かうときも、佐藤さんは後ろから見守るだけ。地図を頼りに自力でお客さんの家に行くところからテストは始まっている。
「2人とも頑張っていたので、そのままやってくれると信じています」
試験のチェックポイントは、日本語やマナーができているか、掃除の手際は良いか、状況による対応力はあるかなど。なかには “贈り物は辞退する(ただし断るのは2回まで)”といった、日本的な対応力を求められる項目もある。2人の研修生はもちろん、佐藤さんも緊張の面持ちだ。

お客さん宅へ到着。玄関での靴の脱ぎ方や、お客さんとの挨拶を順調にクリアし、リビングの掃除に取り掛かる2人。手際良く進めていたが、研修生の1人モナリザさんが、佐藤さんから注意を受けた。物を運ぶときは、床を傷つけないために持ち上げて運ぶよう指導されているが、引きずってしまったのだ。さらに、モナリザさんは掃除に没頭するあまり時間を忘れてしまい、時間配分のミスも指摘された。このままでは、合格は難しい。

午後。別のお宅で再テスト。少し緊張もとけたようで、順調に掃除を進めていく2人。その仕事ぶりと仕上がりに、お客さんから高い評価をもらうことができた。佐藤さんは、自分のことのように嬉しそうだ。
「彼女たちは本当に一生懸命頑張っているので、すごく嬉しい。本人たちの励みになると思います」
午前中に指摘された問題点をクリアし、2人とも見事合格。これからは、家事代行スタッフとして現場で活躍することとなる。佐藤さんは、これからもフィリピン女性を温かく支えながら、一人前のスタッフへと育てていく。

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