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BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛

CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分

ARCHIVE

2019年6月16日放送
第11回

一日10万着が集まる「宅配クリーニング」!売り上げ日本トップクラスの秘密

山口もえ 山口もえ
吉田明世 吉田明世

ノルマ1日3300着 超高速クリーニング 竹内わか菜さん(27歳)

ノルマ1日3300着 超高速クリーニング 竹内わか菜さん(27歳)

1日3300着のクリーニングを完了する

インターネットで注文し、発送すれば指定の日時に仕上げ送り返してくれる今大人気の「宅配クリーニング」。なかでも日本トップクラスの売り上げを誇るのが「リナビス」。創業60年の地域密着型クリーニング会社「東田ドライ」が手がけるサービスだ。人気の秘密は、毎日3300着もの衣類を洗濯する圧倒的なスピードと、お客さんの要望を超えるプラスαのサービス。5年前にサービスを開始して以来、急成長を続けている。そんなリナビスをBACKSTAGEで支えているのが、竹内わか菜さん。彼女は、全国から届いた衣類を検品する部署のリーダー。1日「3300着クリーニング完了」という膨大なノルマを達成するため、工場を走りまわっている。

竹内さんの仕事場は、兵庫県西脇市にある「東田ドライ リナビス生産工場」。クリーニングは完全分業制。大きく3つの工程に分かれている。届いた衣類にタグを付けて仕分けや修理を行う「検品・修理」。素材や生地に合わせた方法を選んで行う「洗浄・乾燥」。そして、ベテラン職人の手でアイロンをかける「仕上げ・包装」。竹内さんが管理する検品作業は、最初の工程。必要な数を素早く検品できなければ、その後の工程に支障が出てしまう。ノルマ達成の鍵を握る重要なポジンション。1日3300着をクリーニングするためには、1着あたり約2分30秒で検品を終えなければならない。少しでも作業の手が止まると遅れが出てしまうため、気が抜けない作業だ。しかも、検品でチェックする項目はとても多い。ドライや水洗いなどの洗濯表示・服のほつれ・傷・穴・ボタンの数・ポケットの中身まで細かくチェック。これらの情報をすべてタグに記入し、6種類に仕分けていく。洋服をくまなくチェックしながらも、素早い手つきで次々と仕分けていく竹内さん。袖などの劣化しやすい場所を瞬時に見るのが、速さの秘訣だという。

速さだけでなく、徹底した品質管理もリナビスの特徴の一つ。竹内さん曰く“数も絶対、品質も絶対”。衣類には、お客さんからシミ抜きなどの要望が添えられているが、それ以上に“お節介”して返すのがリナビス流。要望書に書かれていなくても、毛玉とりはもちろんのこと、緩んだボタンの付け直し、ボタンがなくなっているものは、似たボタンを探して取り付ける。さらに、装飾がついたボタンは、洗濯の時に剥がれないようアルミホイルを巻いてカバーをする徹底ぶり。そのため、お客さんからの信頼も厚く、高級ブランド品や思い入れのある洋服が全国から届く。
「“母から受け継いだもの”とか、“修理してくれるっていうのを見て送りました”とか。なんとかできればなと思います」
お客さんの想いがこもった一着だから、とことん綺麗に仕上げる。

「リナビス」の立ち上げ当時から働いている竹内さん。サービスが急成長していくのを間近で見てきた。
「社長と2人で『リナビス』を始めました。最初は1日2件、多くて10件程度。こんなことになると思っていなかったです。だんだんやることも増えて、責任も大きくなって」
求められるノルマも去年の倍に増えたが、今はそれもやりがいの一つ。しかし、竹内さんにはノルマよりも大切にしていることがある。それが“働きやすさ”。
「働きやすくないと頑張れんし、数だけじゃないです。働きやすさでいったら、休みの取得は、前日でも当日朝でもOKです」
工場には、多い日で1日30人ものパートさんが出勤。みんなが働きやすい環境を作るのも、竹内さんの仕事。パートさんたちの相談に乗り、仕事も教える。

その後も工場内を走りまわり、3300着のノルマを無事達成。これからも、工場の人たちとともにリナビスの成長を支えていく。

お客さんの要望を超える「お節介」クリーニング 中西好美さん(40歳)

お客さんの要望を超える「お節介」クリーニング 中西好美さん(40歳)

1日3300着のクリーニングを完了する

続いて密着するのは、中西好美さん。彼女の仕事は、シミなどの汚れを見つけ洗濯機に入れる前に処理をすること。担当するのは、中西さんを含めたった4人。3300着のノルマを達成するため、1人800着以上をチェックしている。なかでも、大変なのがシミ抜きの作業。中西さんは、まだ入社して3か月の新人のため、ベテラン職人が見守る中で作業を行っていく。

中西さんが手にしたのは、黄色っぽいシミが付いた洋服。これは“黄変”といい、月日が経って乾燥した汗や食べ物などのシミ。黄変は、油脂、タンパク質、タンニンなどに分解され、シミの層を作っているため、1つずつ上から順番に層を溶かしていかなくてはならない。まずは、一番上の層を作っている油汚れから。バキュームと呼ばれる機械に服をのせ、シミに油性薬品を染み込ませてアルコールを噴射していく。やりすぎると洋服の色が落ちてしまうため、加減が難しい作業だ。その後もシミの種類によって薬品を使い分け、作業を続けること6分。綺麗にシミがなくなった。
「綺麗にするのはクリーニングの基本。妥協は許さない」
服の素材も、汚れの種類もさまざま。お客さんの大事な洋服を傷つけないよう、慎重に汚れだけを落としていく。

「お客さんに喜んでもらえる。それって誰かの役に立つ仕事。この服を待っている人がいる。どんな人が着ているんだろうって、想像しながら働いています」
お客さんの笑顔を生み出すために。一人前の職人を目指し、今日も修行に励む。

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