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BACKSTAGE(バックステージ) ”挑戦”に秘められたこだわりと仕事愛

CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
毎週日曜よる11時30分

ARCHIVE

2019年5月12日放送
第6回

知られざる閉園後の舞台裏!「東京ディズニーリゾート®」を支える

パパイヤ鈴木 パパイヤ鈴木
濱口優(よゐこ) 濱口優(よゐこ)

アトラクションの総点検 コースターの整備士 田村篤さん(47歳)

アトラクションの総点検 コースターの整備士 田村篤さん(47歳)

閉園から開園までに安全&清潔なパークを作りあげる

時代を超えて人々を魅了し続ける「東京ディズニーリゾート」。2018年度の年間入園者数は、過去最高の3255万8000人を記録。365日、1日も休むことなく訪れるゲストを楽しませている。そんな東京ディズニーリゾートをBACKSTAGEで支えているのが、ジェットコースターの整備士として活躍する田村篤さん。29年間にわたってアトラクションのメンテナンスに携わっている。

東京ディズニーリゾートでは、昼夜問わず約1000人のキャストがあらゆる施設のメンテナンスを行っているが、この日田村さんが担当するのは、水の上をボートが進む「スプラッシュ・マウンテン」。東京ディズニーランドで人気を誇るスリル満点のアトラクションだ。パーク閉園後の夜11時。スプラッシュ・マウンテンの流れ落ちる滝の水が止まった。閉園後は毎日コースから全ての水を抜いているという。田村さんは、コースに現れたベルトコンベアを動かし、ハンマーで叩き始めた。これは、“打検”と呼ばれる作業。100本以上あるボルトを1本1本叩き、音と手に伝わる振動で点検を行う。さらに、ボルトにつけられた印を見ながら締め具合をチェック。 “音”と“目視”の2重チェックで、入念に点検を進めていく。それに加えて、ベルトコンベアの回転チェックも毎日欠かさない。

続いて訪れたのは、スプラッシュ・マウンテンのボート格納庫。パークの閉園後は、メンテナンスのため全56台のボートがこの格納庫に集められる。田村さんが最初に点検しはじめたのは、ボートの底に取り付けられた車輪。
「スプラッシュ・マウンテンは水路を航行しているんですが、途中途中にレールがありその上を走行するので、ゲストが乗り心地悪くないように点検しています」
これも、アトラクションに楽しく乗ってもらうために欠かせない仕事。さらに、ゲストをしっかりと守るため、安全バーの点検を行う。1つずつバーを下ろしながら、ロックの音が9回鳴るか素早く丁寧に確認を行う田村さん。ゲストを楽しませたいという思いが、毎日の地道な作業を支えている。

次に田村さんが点検を行うのは、「ビッグサンダー・マウンテン」。こちらも大人気アトラクション。5台のコースターが並ぶ格納庫でメンテナンスを行う。点検を行う上で特に重要なのが、車輪部分。ビッグサンダー・マウンテンは天候や気温などに合わせて、車輪の種類を変えてスピードをコントロールしているという。しかも、5台ものコースターが同時に走っているので、この調整が安全な走行に大きく関わってくる。だからこそ、全ての車輪を、毎日時間をかけて細かく点検していかなくてはならない。
「『動いているのが当たり前』を目指す」
そう語る田村さん。これからもゲストの笑顔のために、東京ディズニーリゾートの安全を支えていく。

真夜中にパークを磨く470人の「清掃」プロ集団 松永泰明さん(49歳)

真夜中にパークを磨く470人の「清掃」プロ集団 松永泰明さん(49歳)

閉園から開園までに安全&清潔なパークを作りあげる

いつ訪れても、常にキレイな東京ディズニーリゾート。それを支えているのが、ナイトカストーディアルと呼ばれる約470人のキャスト。毎日閉園から開園までの間にパークをキレイに磨きあげている。そんな清掃のプロたちを束ねるリーダーが、松永泰明さんだ。

夜中の1時半。「イッツ・ア・スモールワールド」前の広い道では、ホースで勢いよく水を撒く女性キャストの姿が見られた。これは、パークの屋外の床面を水洗いする“ホージング”という作業。毎日閉園後には、パーク内のすべての道を50人ほどのキャストが水洗いしている。こうして、毛髪や衣服のホコリなどの目に見えにくいものも含めて洗い流すのが、美しさを保つ秘訣。パーク内のわずかな傾斜と水の勢いを利用して、ゴミを1か所にまとめていく。
「床に座ってショーやパレードを楽しんだ後に汚れていたら、残念な気持ちになりますよね。確実に毎日手を入れていくことで、ゲストに快適に過ごしてしていただく」

続いて松永さんが向かったのは、「スプラッシュ・マウンテン」のボート清掃現場。ここでは、毎日56台のボートすべてを水拭き。ボートの手すりから、ラップバー、座面、背もたれ、乗り込み口など、あらゆる場所をキレイに磨いていく。汚れが目に見えなくても、ゲストが触る部分などは特に気をつけて拭きあげているという。今度は、ファンタジーランドにあるシンデレラの物語を再現した「キャッスルカルーセル」という回転木馬のアトラクションへ。ここでは、72体の馬の拭き掃除が毎日行われている。美しく仕上げるために見逃してはいけないポイントは、ゲストが乗り降りした際に、靴がこすれてついた汚れ。馬体のさまざまな場所についた小さな汚れをキレイに落としていく。さらに、ゲストが握りしめる真鍮部分は、指紋一つ残さないように磨きあげる徹底ぶり。決して手の届かないような高い場所まで念入りに清掃を行う。松永さん曰く、
「ただ拭きあげて汚れを取るだけではなくて、真鍮の光沢をしっかり出すことで、シンデレラの映画のシーンにふさわしいクオリティまで引き上げている」
ただキレイにするだけでなく、ゲストに映画の世界を感じてもらうため、ナイトカストーディアルたちは毎日汗を流しているのだ。

そして、そんな気配りは、ディズニー映画「不思議の国のアリス」に登場するハートの女王様のお城を再現したレストラン「クイーン・オブ・ハートのバンケットホール」でも見られた。清掃が一通り終わると、懐中電灯で照らしながら座面の下まで細かくチェック。これは、半年に1回行われる品質監査。約70項目の仕上がりを見ていくという。レストランなど、衛生に関わる場所はさらにきめ細かく清掃。それによって、ゲストも非日常の世界のなかで、気持ちよく食事を楽しむことができるのだ。

朝5時40分。開園まであと3時間。明るくなった朝にしかできない作業がはじまる。まずは、手すり、柵、縁石などの拭き掃除。ゲストが触れる可能性がある場所を目で確認しながら掃除していく。さらに、明るくなってからしか見えない、道の小さな汚れもキレイに取り除く。
「ゲストの皆様に、ディズニー映画の世界観を十分に堪能していただきたい」
清掃で映画の世界観を作りあげる。それこそが、松永さんの働く原動力。真夜中に人知れず流される汗が、たくさんの笑顔を生み出している。

©Disney

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