- 指揮
- エリアフ・インバル
- プログラム
- ワーグナー:
楽劇≪ニュルンベルクのマイスタージンガー≫より「第1幕への前奏曲」
楽劇≪トリスタンとイゾルデ≫より「前奏曲」と「イゾルデの愛の死」
ブラームス:
交響曲 第2番 ニ長調 op.73
- 2019年7月7日(日) 【開場】13:45 【開演】14:30
- 愛知県芸術劇場コンサートホール
アクセス方法はこちら - S¥15,000 A¥13,000 B¥11,000 C¥9,000 D¥7,000
U25¥3,000(アイ・チケット(電話)のみ取扱い。25歳以下で、来場時に年齢確認あり)
(Pコード:129-640 / Lコード:46307)
※車椅子席(S席)はアイ・チケット(電話)での取扱いとなります。
※やむを得ない事情でプログラム内容、出演者など変更になる場合がございますのでご了承ください。それにともなうチケットの払い戻しはいたしません。
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今年7月、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団を率いて2年ぶりの来日ツアーを行うエリアフ・インバル。プログラムの曲目やオーケストラへの思いを伺いました。
コンサートはワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲で始まります。官能的で濃密な《トリスタンとイゾルデ》とは対照的な、輝かしく開放的な作品ですね。
ワーグナーはオペラを作曲する際、台本も自分で書いていて、これはドイツ文学の上でも優れた業績となっています。中でも《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の台本は秀逸で、音楽なしで上演しても素晴らしいものです。
音楽も充実していることはもちろんですが、第1幕への前奏曲は4時間かかるオペラ全体の要素を凝縮し、全ての要素が詰め込まれていることが魅力ですね。
《トリスタンとイゾルデ》は、マエストロにとって思い入れの深い作品とのことですが?
ワーグナーの作品は全てが素晴らしいのですが、中でも《トリスタンとイゾルデ》は格別です。前奏曲は冒頭から斬新なハーモニーで始まります。いつまでも答えを得られず、問いかけが永遠に続くような音楽。これは、世界に真実の愛は存在するのか、という問いと一体となっています。真実の愛がもし存在するなら、それは死の中にしかない。ワーグナーの素晴らしいアイデアですね。
生きている間は決して本当の愛には到達できない。愛への憧れの不可能性。それが20世紀音楽への扉を開きました。《トリスタンとイゾルデ》はとてもモダンな音楽です。
私はなぜ指揮をするのか。自分は指揮者を「職業」だとは思っていません。もちろん趣味でもなく、お金を得る手段でもありません。指揮は私の「運命」なのです。指揮をすると、偉大な音楽と一体となり、自分が宇宙の一部であることを感じることができます。そのために私は指揮をするのです。《トリスタンとイゾルデ》は、宇宙との一体感を最も直接感じることができる音楽の一つです。
ブラームスの交響曲第2番は、実は第1番よりも緻密に書かれた側面がありますが、おだやかで牧歌的な雰囲気を持っています。
ブラームスの4つの交響曲の中でも、明朗で楽しく、メランコリーや悲劇が少ない作品です。第1楽章は純粋に自然の響き、神への祈りと愉悦に満ちています。第2楽章にはドラマと悲劇がありますが、やがて収束していきます。第3楽章は自然の素晴らしいサウンドであり、第4楽章は伸びやかな佇まいで、真の喜びがあります。
マエストロとベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団との関わりは30年に及びます。オーケストラの魅力と特徴を教えてください。
このオーケストラと出会ったのは1989年、ベルリンの壁が崩壊した年です(翌年、東西ドイツが再統一)。当初はいかにも「東ドイツ」のオーケストラでした。西側の団体とはメンタリティが異なり、もちろんプロフェッショナルとしての技量は備えていましたが、柔軟性に欠けるところがありました。
その時、ベルリンには9つのオーケストラがあり、政治家からは数が多すぎるから統廃合せよ、という話が出ていました。ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(当時の名称は「ベルリン交響楽団」/2006年改称)も不安を抱えていましたが、私は彼らに言いました。「一生懸命やれば、絶対に文句を言われないオーケストラになる」と。実際その後、厳しいリハーサルを続けることで、半年後には音楽評論家からはクオリティの高さを評価されるようになり、それが今日まで続いています。
現在のベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団は、音がまろやかで優しく、音楽の流れがスムーズな団体です。卓越した技術をもち、リズム感も良い。その意味ではベルリンというより、ウィーンのオーケストラの性格に近いですね。
取材・文/友部衆樹
通訳/松田暁子