Program | 2019年のプログラム

ウラディーミル・ユロフスキー指揮 ベルリン放送交響楽団

ドイツ最古の放送交響楽団であるベルリン放送響は、マレク・ヤノフスキが2002年に芸術監督兼首席指揮者に就任して以来、ドイツ有数のオーケストラとして確固たる地位を築いてきた。2017年、ユロフスキーが首席指揮者に就任。昨年、ロンドン・フィルと初来日し、絶賛された彼は、2021/2022からはバイエルン国立歌劇場の音楽監督就任も決まり、ベルリン放送響との初来日公演も注目を集めるに違いない。ソリストは、深い洞察力と澄んだ音色で巨匠の道へと歩んでいるレイフ・オヴェ・アンスネス。
指揮
ウラディーミル・ユロフスキー
ピアノ
レイフ・オヴェ・アンスネス
プログラム
ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op.15
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92(マーラー編曲版)
公演日
2019年3月27日(水) 【開場】18:00 【開演】18:45
会場
愛知県芸術劇場コンサートホール
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料金
S¥17,000 A¥14,000 B¥12,000 C¥10,000 D¥8,000
U25¥3,000(アイ・チケット(電話)のみ取扱い。25歳以下で、来場時に年齢確認あり)
(Pコード:129-592 / Lコード:46301)
※車椅子席(S席)はアイ・チケット(電話)での取扱いとなります。
※やむを得ない事情でプログラム内容、出演者など変更になる場合がございますのでご了承ください。それにともなうチケットの払い戻しはいたしません。

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ウラディーミル・ユロフスキーのインタビュー

いま、世界のクラシック界から注目される、気鋭の指揮者ウラディーミル・ユロフスキー。ベルリン放送交響楽団との初日本ツアーに期待が高まります。オーケストラや、今回のプログラムについて語ったインタビューをお届けします。

オーケストラに対する印象は今と昔とではどのような違いがありますか?
まだ幼い頃に父が指揮しているのを聴いたのが最初でした。その後も父、ミハイルのリハーサルやコンサートで何度もオーケストラを聴きました。80年代の終わりから90年代の初め頃のことです。その後、デビューしたての頃に何度か指揮をさせていただきました。
1995年には急遽指揮を代行し、現代作品の多い難しいプログラムを振ったことがきっかけで、何度も声をかけていただくことになりました。その頃から優れたオーケストラではありましたが、東ドイツの社会主義的なメンタリティーを引きずっていました。とはいうものの、音楽性豊かで、真摯に取り組んでいるという好印象を持ちました。次に会ったのは、ヤノフスキさんが首席指揮者を数年務められた後で、技術的にかなり向上していました。しかし、幸いに音楽に対する情熱と柔軟な姿勢は以前のままでした。楽員の顔ぶれも変わり、今や東ドイツのオーケストラではなく、世界各国の音楽家からなる国際色豊かなドイツのオーケストラに生まれ変わっています。

オーケストラの音色についてはどうですか?
いかにもドイツらしい豊かな弦、そして管楽器の響きを誇っています。一番相性がいいのがブラームスやワーグナー、ブルックナー等ですがドイツやロシアのロマン派音楽全般に適していると思います。

今回のツアーテーマは「マーラー」ですが、マーラーへの想いは?
私を最初に虜にした作曲家の一人がマーラーです。15歳、16歳頃の頃に夢中になりました。マーラーの交響曲を指揮したいがために指揮者になったところもあります。来日公演では、マーラーの楽曲だけでなく、マーラー編曲によるベートーヴェンも取り上げます。ですので、作曲家としてだけでなく、指揮者としてのマーラーに着目していただけると思います。私にとってマーラーは、20世紀の音楽を理解する重要な鍵です。後期ロマン派に分類されるものの、マーラーは現代音楽への道を切り開いた作曲家です。ですので、21世紀の人間である私にとって、マーラーは19世紀から20世紀への変貌を理解するのに不可欠な存在です。

ベートーヴェンの7番(マーラー編曲)を取り上げる意図は?
ベートーヴェンの交響曲第7番はクラシック音楽の中で最も人気のある楽曲の一つです。
マーラー編曲版という新たな視点を通してその新たな魅力を紹介したいと思っています。
マーラーだけでなく、多くの人がベートーヴェンのオーケストレーションに手を加えています。R.ワーグナーやマーラーと同年代に活躍した指揮者フェリックス・フォン・ワインガルトナーも編曲しています。中でも偉大な指揮者であり、作曲家であったマーラーの編曲はかなり過激です。ベートーヴェンと対等なスタンスを取っています。マーラーはベートーヴェンの通常の編成よりも楽器を増やし、大編成のオーケストラ向けに編曲し直しました。それを聞くと70年代、80年代のカラヤンとベルリン・フィルの頃の演奏を彷彿とさせるかもしれません。でも、カラヤンが指揮者としての視点から楽器を増やしたのに対し、マーラーは作曲家として臨んでいます。音は一切変えておらず、ベートーヴェンが作曲したままですがオーケストレーションを徹底的に見つめ直しています。そこが他の編曲版との大きな違いだと思います。マーラーの編曲により、音楽のスケールが格段に豊かになっています。私たちは今、ピリオド楽器による速いテンポの演奏に慣れていますが、マーラー版はテンポがより遅く、重厚な印象を与えます。大編成のオーケストラであるからだけではなく、マーラーが指定したボーイングによるところが大きいと思います。音楽の本質はベートーヴェンであることに変わりありませんがより豊かな響きを持つ、ロマン派よりの音楽になっています。ベートーヴェンの交響曲であることに変わりないのですが、マーラーによって色彩感がぐっと増しています。

ソリストのレイフ・オヴェ・アンスネスの印象は?
レイフ・オヴェ・アンスネスとは昔からのパートナーであり友人です。これまでに何度も共演し、色々な作品を取り上げてきました。最近では、ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番とドビュッシーのピアノと管弦楽のための幻想曲で共演しました。とても面白い、型破りの演奏家だと思います。音楽を実に深く探っていきます。独奏パートだけでなく、協奏曲全体について明確な視点を持っています。弾き振りをすることが多いだけあって、オーケストラに対する要求もとてもはっきりしています。また共演できることを楽しみにしています。特に彼のこのブラームスは絶妙です。ブラームスの協奏曲第1番はこれまで共演したことがありません。第2番の方は、私が率いるロンドン(ロンドン・フィル)のドイツ公演で演奏しましたが、第1番は今度の日本公演が初めてとなります。

今後のオーケストラの方向性について教えてください。
日本公演のあと、ベルリンに戻ってシーズンを終えます。今シーズンのテーマは自然です。
自然は何世紀にもわたる芸術の永遠のテーマです。しかし、私たちはそれだけでなく、深刻な問題となっている地球規模での気候変動に焦点を当てたいと考えています。自然を敬い、守ることの大切さについて少しでも考えていただくきっかけになればと考えています。クラシック音楽で世界を変えようなどとは考えていません。でも、私たちのコンサートにより、空気汚染を防ごうとする人が少しでも増えれば目的は達成できたと思います。コンサートを通して、ベルリンだけでなく、ドイツ、ヨーロッパ、そして世界中で自然保護活動に取り組んでいる団体や企業と協働しています。
秋には、ブカレストのジョルジュ・エネスク国際音楽祭に参加する予定です。演奏される機会が少ないエネスクの名曲、交響曲第3番を含むプログラムを披露します。他にもR.シュトラウスのオペラ「影のない女」をコンサート形式で行う予定です。2019年はこの素晴らしいオペラが初演されてから100年目にあたります。ご存知のように、このオーケストラはヤノフスキさんが首席指揮者の頃、多くのオペラをコンサート形式で演奏しています。シュトラウスの名曲、「エレクトラ」や「ダフネ」もやっていますが「影のない女」はこれまで演奏したことがないので、とても楽しみにしています。そしてもちろんベルリンでのコンサートや世界各国でのツアーもあります。アメリカや中国、ヨーロッパ各国を回る予定です。

バイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任することになりました。指揮者、オーケストラにとってオペラをやることのメリットがあれば教えてください。
過去の偉大なオーケストラはどれもオペラの演奏が中心で、その傍で管弦楽曲のコンサートを行なっていました。オーケストラにとって大切なのは、室内楽、交響曲、オペラとそれぞれバランスよくやることだと思います。オペラは楽器だけでなく、歌手との共同作業です。テキストもあるので、それだけ具体的で明確なイメージを持って演奏に臨むことができます。ですので、作曲家が書いたオペラを学ぶことで、その交響曲への理解が増すという直接効果があると思います。例えばR.シュトラウス。そのオペラに精通していれば、「アルプス交響曲」や「英雄の生涯」、「ドン・ファン」をどう演奏するべきかが分かります。シュトラウスの根底はオペラにあるからです。同じことがモーツァルトにも言えます。モーツァルトの交響曲や協奏曲はつかみにくいところもあります。でも、そのオペラを分析し、登場人物やテキストと調性やメロディー、リズムとの相互関係を見ていくと交響曲をどう解釈すべきかが自ずと見えてきます。ですので、交響曲とオペラを並行してやることのメリットは実に大きいと思います。

日本の聴衆についてはどう思いますか。日本公演への期待を教えてください。
来日はまだ一回しかしていません。2017年のロンドン・フィルとの公演の時です。でも日本で演奏することは昔からの夢でした。父は、私が小さい時にツアーで来日しており、お土産話をたくさん聞かせてくれました。それ以来、日本は私の中では特別な存在で、2017年にようやく夢が実現しました。日本という素晴らしい国を再び訪れ、日本の聴衆と再会できることを楽しみにしています。日本の方は礼儀正しく、熱心に聞いてくださり、拍手を惜しみません。

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