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第311回(6/17) 湿邪

ゲンキスチューデント:滝裕可里
ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン
ドクター:川嶋朗

今年もやってきた梅雨。なんとなく体調が悪い、どこか体が重いなど、身体もどんよりしていませんか?もしかしたら、それはれっきとした病気かもしれません。その名も「湿邪」。聞き慣れない言葉ですが、東洋医学では広く知られた病名。梅雨の時期に起こり、頭痛や、食欲不振、むくみなど、全身のあらゆる不調の引き金になるのです。

湿邪について

湿邪は、東洋医学における概念です。東洋医学において「気」は、この世のすべてを構成するエネルギーのようなもの。健康を大きく左右すると考えられており、冬の寒さや夏の暑さ、秋の乾燥など、1年の気候変化を「寒・火・燥・湿・暑・風」の6つに分類し、六気(りっき)と呼んでいます。例えば、春に吹く風が身体に悪影響を及ぼした場合は、「風邪(ふうじゃ)」。文字通りそれは、風邪(かぜ)の事を言います。このように、六気の変化が過剰になると、健康を害す邪気となって身体に入り込み、様々な不調を起こすと考えられているのです。つまり梅雨の時期は、過剰になった湿度が邪気となり、「湿邪」になります。これが、頭痛や下痢、むくみなど全身の不調に繋がります。

梅雨の不調を吹き飛ばす!除湿ツボ

身体に溜まった湿気を取り除き、自律神経のバランスも整えてくれる「除湿ツボ」をご紹介します。

・除湿ツボ その1「湧泉」
湧泉は、土踏まずのやや上。指を曲げた時にくぼむ場所にあります。
効果:活力UP
気持ち良いくらいの強度で朝晩2回。左右それぞれ5〜10回押すのが目安です。

・除湿ツボ その2「三陰交」
三陰交は、内くるぶしの突起から指幅4本分上、骨のやや後ろ側にあります。
効果:血の巡りを改善
気持ち良いくらいの強度で朝晩2回。左右それぞれ5〜10回押すのが目安です。更年期のトラブルなども整えてくれるため、女性にとっては万能ツボ。脚の血流量をアップさせるため、むくみの改善につながります。

除湿以外の湿邪対策

・汗をかきやすい体にする
汗の気化熱で上がった体温を下げるため、梅雨時には体を徐々に暑さに慣らして、汗を作る機能を高めることが大切です。「外気に触れる」「軽い運動をする」「お風呂にゆっくり浸かる」といった方法で、汗を作る機能を高める事ができます。日頃から汗をかきやすい体にしておきましょう。

・汗をかいた時の注意点
汗をかいた状態で冷房の効いた部屋に入ると、汗は一気に蒸発します。 すると、体温が急激に奪われ、下痢や冷えなどの体調不良を招いてしまいます。汗をかいたら、こまめに拭き取るように心がけましょう。

命をも脅かす梅雨の病

「夏型過敏性肺炎」
夏型過敏性肺炎は、咳や発熱などの症状を繰り返す病気です。その原因は、どの家庭にも存在する「トリコスポロン」というカビ。知らぬ間に胞子を吸いこむ事で、咳や発熱などのアレルギー反応を引き起こします。咳や発熱などの症状が改善せず何度もぶり返すのが特徴なので、当てはまる方はぜひ検査を。発症させないための基本は、掃除です。カビが繁殖しやすい水まわりやエアコンなどは、念入りに行いましょう!

梅雨の抜け毛の原因

梅雨は、抜け毛が増える季節でもあります。その原因は「マラセチア」というカビです。マラセチアは、皮膚にすみつく常在真菌で、湿気を好み皮脂をエサとしているので、梅雨に増殖しやすいのです。マラセチアが頭皮で増えると、脂漏性皮膚炎という炎症を引き起こします(※頭皮以外にも皮脂分泌の多い箇所で起こります)。対策は、頭皮を清潔に保ち、皮脂を適度に洗い流す事。また、洗った後は湿気を残さないよう、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。オススメは、温風で7割程度乾かし、残りの3割を冷風で乾かす「七三ドライ」。頭皮の温度が下がり、マラセチアの増殖や、かゆみを抑えられます。
梅雨に増えるカビトラブル。生活を見直して、しっかり予防しましょう!