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第299回(3/18) 寒暖差疲労

ゲンキスチューデント:片岡安祐美
ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:川嶋朗

いよいよ春!暖かくなり過ごしやすい季節と思いきや、なぜか体調を崩す人が多いよう。その原因として、最も可能性があるのが「寒暖差疲労」。寒暖差に身体について行かず体調を崩してしまい、それが病の引き金になる場合があるのだとか。さらに、この時期の寒暖差での体調不良は、夏バテのきっかけになる可能性も。そこで今回は、寒暖差に負けない身体作りを徹底検証していきます。

なぜ寒暖差が激しいと体調を崩す?

寒暖差が激しい春は、自律神経が乱れて活性酸素が多くなりやすいため、体調を崩す人が多くなります。自律神経とは、無意識のうちに身体の各機能を調整するように働く神経。緊張状態の時に優位になる交感神経と、リラックスしている時に優位になる副交感神経の2種類があります。寒い場所では交感神経が、暖かい場所では副交感神経が優位になり、体温を調整する働きがありますが、寒暖差が激しくなると、それが大きなストレスとなり、交感神経が優位になりっぱなしになることがあります。その影響で、活性酸素が増えるのです。活性酸素は殺菌力が強く細菌などを撃退する役目がある反面、増えすぎると正常な細胞なども攻撃してしまい、人体を酸化させ害を及ぼす事もあります。
さらに、春は気圧の変化が激しく、異動や転勤の季節でもあるため、それらがストレスとなり、寒暖差以外でも自律神経を乱す要因となります。

自律神経の乱れが原因となる病気

寒暖差以外にも、さまざまな理由で自律神経が乱れ体調を崩しがちな春には、自律神経の乱れが原因として考えられる病気を引き起こす人も多いそうです。

「血管運動性鼻炎」
通常、鼻の毛細血管は鼻付近の体温などを調整するため、寒いと交感神経の働きで縮み、暖かいと副交感神経の働きで広がります。しかし、早朝など急激な寒暖差を感じると自律神経が乱れて機能しなくなり、鼻水が止まらないなどの症状を引き起こします。血管運動性鼻炎の主な特徴は以下の通りです。気になる方は病院で受診してみてください。

〈血管運動性鼻炎の主な特徴〉
・冷え込んだ夜の翌朝に症状が出る
・発熱がない
・目のかゆみや充血がない

「うつ病」
緊張やストレスで交感神経が優位になると、脳を活性化させるドーパミンやセロトニンが分泌され活動状態になります。そんな時に寒暖差などの影響でストレスが加わると、張り詰めていた交感神経が副交感神経に傾き、今度は元に戻らなくなってしまいます。自律神経には180度ひっくり返る性質があるため、交感神経がピークに達すると副交感神経が優位になり、やる気を起こすドーパミンやセロトニンが減ってしまいうつ病と同じ状態を起こします。

他にも、自律神経の乱れによって気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気が悪化する可能性もあります。
春はまだまだはじまったばかり。寒暖差には十分気をつけましょう。

寒暖差の影響は人によって差がある?

寒暖差の影響は体質によっても異なりますが、生活習慣が影響している事も多いそうです。

「寒暖差に弱い人の特徴」
(1)手足が冷たく感じる事が多い
(2)熱中症にかかった事がある
(3)普段の生活が不規則
(4)お酒を週2回以上飲む&飲酒量が多い
(5)ストレスや心配事を抱えている

(1)(2)の経験がある人は、体質的に寒暖差に弱い傾向があるため注意が必要です。(3)の場合は、生活リズムが不規則だと自律神経が整いにくくなります。(4)に当てはまる場合は、飲酒量が多いと分解のために余分なエネルギーを消費するので、その分寒暖差に影響を受けやすい身体になってしまいます。(5)のストレスは、交感神経を優位にさせるため寒暖差に弱くなります。また、ストレスがかかり続けると交感神経優位の状態が続くため、その結果疲弊して自律神経による調整がきかなくなります。

3つの寒暖差疲労対策スイッチ

寒暖差に負けないためにも、自律神経のバランスを整える事が大切です。特にストレスの多い現代社会では、常に交感神経にスイッチが入って疲れてしまうので、日頃から副交感神経を優位にして、自律神経のバランスを整えましょう。
そこで、副交感神経に切り替えるための3つのスイッチをご紹介します。

・1つ目のスイッチ「目」
目の奥にある動眼神経という脳神経が副交感神経なので、そこを刺激する事によって副交感神経にスイッチが入ります。その方法としては、
「目元温め法」がオススメです。

「目元温め法」
(1)タオルを水で濡らします。
(2)500Wの電子レンジで40秒温めます。
(3)タオルは人肌より少し熱い40℃くらいが適温です。
(4)目の上に2分間のせます。
これだけで副交感神経に切り替わります。
女性が眠る前にやると、翌日のお化粧のノリも良くなるそうです。

・2つ目のスイッチ「指先」
指の爪の生え際にある井穴(せいけつ)というツボに、自律神経を切り替えるスイッチがあります。実は、身体の末端である指先は、動脈から静脈へと血管が切り替わるポイントです。この部分の血行が良くなると、心臓へと巡る血流も促進。身体全体が温まり、リラックスする事ができます。そのため、このスイッチを押して身体を温める「指先揉み法」がオススメです。

「指先揉み法」
(1)爪の両側を指で挟み、グリグリと左右にひねります。
(2)指1本に対し10〜20秒行いましょう。
時間がある方は、もう少し時間をかけて行うとより効果があります。
また、井穴は副交感神経へのスイッチですが、薬指だけは別で、交感神経へのスイッチ。シャキッとしたい時は、薬指を揉むと効果があるそうです。

・3つ目のスイッチ「呼吸」
息を吐く事によって副交感神経を優位にするスイッチが入ります。呼吸の中でも息を深く吐く「腹式呼吸」がオススメです。

「腹式呼吸」
(1) 姿勢を良くして、両手をお腹の上に置きます。
(2) 息を3秒吸って6秒で吐きます。
(3) 10回ほど繰り返すと効果が期待できます。
姿勢が良い状態であれば、寝る・座る・立つなど、どんな体勢でも効果があります。お腹が膨らむように吸って、お腹がへこむように吐くのがポイントです。

また、根本的に体質を寒暖差に対して改善するには適度な運動がオススメです。適度な運動とは、自分にとって少しだけきつい運動をいいます。例えば、普段の1.5倍のスピードで歩く、階段を使う、電車などでは座らないなど。日常生活に取り入れて、寒暖差に負けない身体を作りましょう。