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第205回(5/8) 大腸がん

ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン
ドクター:松生恒夫

大腸がんの患者数はここ30年で増加し、近年では最もかかりやすいがんになっています。
その大腸がんの死亡率が低い都道府県ランキングで、男性第一位が愛媛県、そして女性も愛媛県が第二位となっています。
そこで今朝は、愛媛県が大腸がんと縁遠いのにはどんな秘密があるのかを徹底リサーチ。
愛媛県の4つの名産と大腸の健康のヒントにせまります。

柑橘類

そもそも大腸がんの原因は、動物性脂肪の摂り過ぎだと考えられています。
動物性脂肪を摂りすぎると、腸内での消化を助けるため胆汁が大量に分泌されます。
その胆汁が腸内細菌と結びつくことで、大腸がんの原因になると考えられているのです。
ただ愛媛県は肉をあまり食べていない、という訳ではありません。
鍵を握るのは「食物繊維」です。
愛媛県と言えば柑橘類の生産量日本一、実は柑橘類には食物繊維が豊富に含まれていて腸内環境を整える働きがあるのです。

実は愛媛県は鯛の養殖も日本一です。
スーパーには専用の売り場が設けられるほど愛媛では親しまれている鯛。鯛などの魚にはEPAが豊富に含まれています。
EPAには腸管の粘膜を修復したり炎症を抑えたりする働きがあります。さらに鯛に含まれるビタミンB6は、大腸がんのリスクを低下させるという研究結果もあります。

はだか麦

日本で最も一般的な味噌と言えば米味噌ですが、愛媛の人が使うのはほとんどが麦味噌です。
この麦味噌の原料となるのが、愛媛県が生産量日本一というはだか麦です。
はだか麦には食物繊維が含まれますが、その中でも注目すべきは「β-グルカン」という水溶性食物繊維です。
食物繊維には不溶性と水溶性の二種類があり、不溶性は水に溶けずに便の材料となりかさを増やします。
一方水溶性は水に溶けドロドロになるため便を柔らかくします。
この不溶性と水溶性の理想のバランスは2:1です。
不溶性は食事で摂りやすいので、水溶性を意識して摂ることが大切なのです。
さらにβ-グルカンは免疫力アップ、コレステロールを下げるというデータもあります。
同じ味噌の原料となる米と比較しても、食物繊維、β-グルカンの量が多く含まれています。
また麦味噌ははだか麦に麹菌を入れて発酵させますが、麦味噌の麹菌にはアミラーゼという分解酵素が多く含まれ、腸内のビフィズス菌など善玉菌の活動を活発化させる働きがあると言われています。

麦味噌が手に入りにくい場合は、キウイフルーツを摂るのもおススメです。
キウイフルーツの食物繊維は、不溶性と水溶性が2:1で理想的なバランスです。
ちなみにキウイフルーツも愛媛県が生産量日本一となっています。

今治タオル体操

愛媛県の沿岸部は特に急な斜面に囲まれていて平地部が少ないため、段々畑が作られてきました。
こうした土地柄から良く歩いて運動するため、腸にはとても良い環境です。
各地には簡単に取り組める体操などもあり、特に今治には名産のタオルを使った今治タオル体操があります。
16年前に誕生したこの体操、いまでは老若男女を問わず広く親しまれています。
タオル体操には腸に良い動きがたくさんあります。
特に身体をひねったり横に倒したりする運動は下降結腸を刺激します。さらに前屈はお腹が動くことで腸全体を刺激します。
運動で副交感神経を刺激することで腸のぜんどう運動も活発化します。
適度な運動は健康の基本。
みなさんも身体を動かし、大腸がんを防ぎましょう。