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第198回(2016.3.13)

軽度認知障害

軽度認知障害

ゲンキリサーチャー:谷田部俊
ドクター:古賀良彦

現在、日本の高齢者のおよそ460万人がかかっているという認知症。
その認知症の一歩手前の状態を「軽度認知障害」といいますが、この状態の人もおよそ400万人いると言われています。
しかし軽度認知障害の状態なら回復することも可能です。
今朝は軽度認知障害から回復した人に聞いたその方法や、現役最高齢棋士の、脳を若く保つ秘訣をお伝えします。

軽度認知障害チェック

次にあげる5つの物忘れの中で、心当たりのあるものはありますか?中には認知症につながる危険な物忘れが潜んでいます。
(1)よく会う人の名前を忘れてしまう。
(2)用があって部屋を移動したのに、何をするか忘れる。
(3)人と会う約束を忘れてしまう。
(4)昨晩のおかずを忘れる。
(5)同じ本を買ってしまう。
この中で危険な物忘れはズバリ(2)、(3)、(5)です。

記憶には「覚える」「貯める」「取り出す」の3つの段階があります。通常の物忘れは3つ目の「記憶を取り出す」ことが難しくなっている状態ですが、危険な物忘れは最初の「覚える」段階で問題が起きている状態です。この覚える段階に異変が起きるのが、数種類ある認知症のうち最も患者の多い「アルツハイマー型認知症」です。これはアミロイドベータなど異常なたんぱく質が脳内にたまって神経細胞を壊し、記憶を司る「海馬」が縮んでしまう認知症です。危険な物忘れが頻発したり悪化したりするようなら、物忘れ外来を受診しましょう。

さらに軽度認知障害になると行動に変化が起こることもあります。
例えば「決まった曜日に通っていた病院の通院日を間違える」のは危険な行動。軽度認知障害になると、「見当識」という時間と空間を認識する機能が衰えやすくなり、初期症状として毎日変わる曜日が分からなくなるという事が起こってしまいます。
一方「財布をよく探すようになる」という行動は、場所は忘れても自分自身がどこかに置いたことが分かっていれば、注意力の散漫による良性の物忘れと言えます。ただし「誰かが盗んだ」など人のせいにするのは「もの取られ妄想」という認知症の典型的な症状ですので注意しましょう。

認知予備力を高める

認知予備力とは、脳内に張り巡らされた神経細胞のネットワークの強さです。アミロイドベータなどにより神経細胞が壊されても、ネットワークが強ければ他の生きている神経細胞がその機能を補い、認知機能を保つことができます。

軽度認知障害から回復したという鈴木さんは、91歳にしてエステに通っています。毎週のエステという楽しみがあったため症状が改善したと考えられます。またエステのようにマッサージや美容を意識するのも良いことだそう。さらに人と接し、他人とうまくコミュニケーションを取るという事は最も脳の認知予備力を高める方法です。
これは脳のトレーニングでも同じで、一人でやるものよりも対戦相手がいる将棋やチェスの方が効果が高いと言われています。相手の心理を読む「人との駆け引き」が脳を活性化させるのです。

現役最高齢プロ棋士加藤一二三 九段は、記憶力はもちろん脳年齢も30代という若さ。そんな一二三さんに、将棋以外に脳を元気に保つ秘訣を教えていただきました。
それは、毎日2時間モーツアルトやバッハなどクラシック音楽を聴くこと。音楽はリラックス効果だけではなく、脳を活性化させ認知機能を改善させる効果があることが分かっており、音楽療法という認知症の治療にも利用されています。
さらに一二三さんは毎日のようにトマトジュースや果物を摂っています。これらは抗酸化作用が高く、脳を若く保つ効果があります。

皆さんも認知予備力アップ術を試して、脳を若返らせましょう。

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