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第185回(12/6) 胃と食道

ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン

いよいよ到来した忘年会シーズンですが、暴飲暴食していると、翌朝「胃もたれ」や「胸やけ」に悩まされることもあります。
おしゃべりな臓器と言われ、すぐに不調が現れてしまう「胃」。
胸やけや胃もたれは何故起こってしまうのでしょうか。
さらに、胃が良くなると頭痛やじんましんなど他の病気も改善されるという、不思議な胃の謎に迫ります。

胃の疑問にお答えします!

・水だと飲めないのにビールだと飲めるのはなぜ?
水は胃で吸収されないため、お腹に溜まりタプタプになってしまうのに対し、
ビールは胃や腸で吸収されるためどんどん飲めてしまいます。
またアルコールには利尿作用があるので、排出されやすいのも理由の一つです。

・胸やけと胃もたれの違いは?
胸やけは胃酸が逆流し、食道まで上がることで起こる症状です。
胃酸はコンクリートを溶かすほど強力なため、通常、胃の中は粘膜で保護されています。
しかし食道の粘膜は胃酸のダメージを防ぐことができないので、食道まで胃酸があがると胸やけの症状が起こるのです。
胃酸はゲップをしたときに上がるほか、脂っこい食事やアルコールを摂ると、胃の入り口にある噴門という胃酸の逆流を防ぐ部位が緩み、上がってくる胃酸を抑えにくくなります。
また甘い食べ物やたばこも胃酸の分泌を増やします。
さらには腹圧のかかる姿勢で胃酸は逆流します。
胸やけに悩む人は暴飲暴食を控え、胸やけしたときにはホットミルクで胃酸を中和しましょう。
またガムを噛むのもおススメです。
ガムを噛んで出る唾液が食道の胃酸を中和し、炎症を防ぐことに繋がります。

胃もたれは、消化不良で胃が休むことができずに機能が低下することや、アルコールなどの刺激による炎症の痛みによって起こります。
消化を助ける食べ物としては、大根やかぶ、ヤマイモがおススメです。またオクラやなめこ、レンコンに含まれるムチンというヌルヌル成分にも、胃の粘膜を保護する効果があります。飲み会でメニューを決めるときに気にしてみてはいかがでしょうか。

胃が引き起こす意外な病気とピロリ菌

胃は、じんましんや慢性的な頭痛と関連があると言われています。
その原因と考えられるのがピロリ菌。
ピロリ菌には胃の中で鉄分の吸収を阻害したり、菌が増殖するときに鉄分を消費したりする性質があります。
そのためピロリ菌を除去すると鉄分不足が解消され、貧血などの症状が改善されるのです。
またピロリ菌などが原因で胃に炎症が起きると、白血球からサイトカインなど菌を攻撃する物質が放出されますが、それらは健康な細胞を攻撃してしまう性質もあり、
そのような物質が血流にのって全身に回ることで、頭痛やじんましんなどの不調を引き起こすのです。
さらにピロリ菌の感染が頭痛と同じように脳にも影響し、認知症になる確率が2倍になるという研究データも発表されています。
また最近では、ピロリ菌が動脈硬化や糖尿病を進行させるという研究結果も報告されています。
ピロリ菌に感染していても、胃の症状が無くて気づかない人が多くいます。症状が無くても、特にピロリ菌がかつて陽性だった方や今も陽性の方は、一度胃の検査を受けてみてはいかがでしょうか。