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第46回(2/24) 閉塞性動脈硬化症

ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:重松宏

身体の中でも足の血管に起こる動脈硬化を、「閉塞性動脈硬化症」と言います。
動脈硬化は、脳に起これば脳梗塞、心臓に起これば心筋梗塞を引き起こす原因になりますが、自覚症状がないため発見されにくく、突然脳梗塞や心筋梗塞といった形で現れます。
しかし全身の中で足だけは、動脈硬化のサインが分かると言われています。それは、足を動かす時には筋肉が多くの血液を使うため、足に血液がうまく流れていないと様々な不調が出てくるからなのです。

動脈硬化症を見分けるポイント

(1)片足だけが冷えている。
足の血流が悪くなることで最初に現れる症状が冷えです。しかし足の動脈硬化は左右対称にできるものではないため、どちらか片方だけが冷えているのが特徴です。

(2)ふくらはぎがつりやすい。
(3)一定の距離を歩くと足が痛む。
閉塞性動脈硬化症が原因で起こる足の痛みは、一定の距離を歩くと主にふくらはぎに起こります。これは足を動かしている筋肉への血流が不足するためです。少し安静にしていると血液が行き渡るため、再び歩くことができるというのも特徴です。また坂道や階段では上るときの方が足が重くなったり痛くなったりします。

(4)小さな傷や水虫が治りにくい。
通常、冬になると水虫は比較的軽症になります。しかし足の動脈硬化が原因の場合は季節に関わらず悪化し続け、潰瘍になることもあります。

また病院では、冷えや痛みのチェック以外に足の血圧測定が行われます。健康な足は血液を心臓に送り返すために強い圧力がかかり、腕に比べて血圧が高いのが特徴です。しかし動脈硬化が起こっていると血管が硬くなっているため、圧力が低くなります。足の血圧を測定するABI検査は、血管外科、循環器内科のある病院で受けることができます。

閉塞性動脈硬化症になりやすい要因

高血圧、脂質異常症の人は通常の2〜3倍、糖尿病や喫煙者の場合は通常の4倍リスクが高くなります。また加齢も要因の一つです。
男性に多い症状ですが、女性も閉経後、特に70代以降に増えてくると言われています。

脊柱管狭窄症の痛みとの違い

同じような痛みの症状が出る脊柱管狭窄症との違いは、痛みが出る距離や痛みが治まる姿勢、傾斜の上り下りや自転車に乗ったとき等に出てきます。

  閉塞性動脈硬化症 脊柱管狭窄症
距離 一定の距離で痛む 日によって痛む距離が違う
姿勢 直立で治まる 前かがみで治まる
傾斜 上りがつらい 下りがつらい
自転車 痛みが出る 痛みが出にくい

閉塞性動脈硬化症の改善法

足の痛みを改善するのにお勧めの方法は、歩くことです。足は一本の血管が詰まったとしても必要な場所に血液を届けようとします。そのため歩いて負荷をかけ続けると、迂回路となっている血管が発達したり毛細血管が増えたりして、痛みも改善するのです。
ふくらはぎに適度な負荷をかけるイメージで、かかとからしっかり地面を踏み、蹴り上げるように意識して歩きましょう。1日30分、週に3回程度実践することで、早ければ3か月ほどで症状の改善が見られます。
症状のある人は、医師の指導に従って実施してみてください。

動脈硬化を引き起こす危険因子を減らすために、日ごろから生活習慣をしっかりと管理しましょう。