極みの料理

2015年2月17日放送分

愛知県常滑市産 トマト

食材のご紹介

ジェイアール東海商事株式会社 開発事業部 藤﨑明裕さん

ジェイアール東海商事株式会社 開発事業部 藤﨑明裕さん

ジェイアール東海商事は、主に新幹線や鉄道の事業を行うJR東海のグループ企業です。「鉄道の会社が農業?」と疑問に思われるかもしれませんが、新幹線で車内販売されている弁当やサンドイッチをはじめ、名古屋駅にあるJRセントラルタワーズ内のレストランやホテルなど、食に関連のある事業も展開しています。そこで、新幹線や鉄道事業と同様、食の現場においても安心・安全をお届けしようと考え、2009年から農業事業をスタート。東海道新幹線の「のぞみ」にちなんで「のぞみ畑」ブランドとし、私たちの野菜作りは始まりました。

食の安心・安全をお約束するため、減肥料・減農薬で栽培を行っています。現在は、節減対象となっている化学合成農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を、慣行レベルの5割以下に抑えた特別栽培農作物の基準を満たす栽培を行っています。更に、植物のミネラルバランスに着目した肥料設計をし、おいしさの向上にも努めています。

また、年間を通して収穫できる施設栽培の強みを生かし、季節を問わず変わらぬおいしさでお届けしたいと考えています。「のぞみ畑」のトマトは、コクがあって、うま味、甘味、酸味が高いレベルでバランスよく備わり、昔ながらの、トマトらしい味わいのするトマトです。うれしいことに、販売先のスーパーマーケット等ではリピーターになってくださる方も増えています。今後はさらに収穫量を増やして、さらに多くの方に「のぞみ畑」のトマトをお届けしたいですね。

産地のご紹介

ジェイアール東海商事株式会社 のぞみ畑 常滑農場 農場長 奥埜祥弘さん

ジェイアール東海商事株式会社 のぞみ畑 常滑農場 農場長 奥埜祥弘さん

profile

1967年、大阪府生まれ。1990年にJR東海に入社。新幹線の車掌として鉄道輸送業務にたずさわった後、百貨店事業を経験。2009年に「のぞみ畑」立ち上げのプロジェクトメンバーに選ばれ、現在は常滑農場の農場長を務めている。

「のぞみ畑」ブランドの野菜作りは、JR東海グループの農業事業として2009年に始まりました。JR東海は鉄道の会社であり、立ち上げのメンバーに選ばれた社員3名も農業に関してはほとんど素人。それまで私は百貨店で接客販売の仕事に就いていましたから、自分がたずさわると知った時は、大変驚きました。知識も経験もありませんから、農業の専門学校や一般農家の皆さんから技術指導を仰ぎ、さらに企業が手がける大規模農園でも数ヶ月間研修をし、農場の立ち上げまで勉強に打ち込みました。

ところが、最初の3年間はなかなか思うようにはいかなくて…。トマトを育てている施設の中は高温多湿で、虫や病気の発生しやすい環境になりがちです。当たり前のことですが、トマトは植物。私たちに声を出して何も訴えてくれません。百貨店での仕事では、お客様のお話を伺えば、何をお求めかはすぐ察知できていただけに、ここでは孤独感を感じることもありましたね。まだ、トマトに対する目利きが未熟な私たちは、トマトが発する予兆を見つけて対処することができなかったのです。

ですが、その失敗のたびに学ぶことがありました。葉の色や向きの違いにも意味があり、株全体の様子を見れば、これからどんな実をつけてくれるのかも分かってきたのです。今では、すべてが思い通りとは言えませんが、安定した栽培管理ができ、味の良いトマトに仕上がっていると自信を持って出荷しています。現在、栽培面積は2600m2。今後、収穫量をもっと伸ばし、一人でも多くの方に「のぞみ畑」のトマトをお届けできるよう、試行錯誤を続けていきたいと思っています。

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