極みの料理

2014年4月15日放送分

津市産 益荒男ほうれん草

産地のご紹介

ジャパン・アグロノミスツ株式会社 藤原隆広さん

ジャパン・アグロノミスツ株式会社 藤原隆広さん

profile

1970年、秋田県生まれ。国の農業研究機関などでの研究を経て、2006年に津市で就農。翌年に、ジャパン・アグロノミスツ株式会社(通称:Jagrons)を立ち上げた。現在は、三重県津市と秋田県仙北郡で渡り鳥農業を実践。研究、生産、小売り、人材育成を一貫して行う農業組織の確立に情熱を燃やしている。

ほうれん草の糖度は、一般的に3〜5度(Brix%)と言われています。ところが、私たちが栽培するほうれん草は、かなり高糖度。なかでも、独自に立ち上げた、ほうれん草のブランド「益荒男(ますあらお)ほうれん草」は、10±2度の糖度があります。スイカの糖度と同じくらいの甘さなのです。

また、一般的なほうれん草よりも含水率が低く、葉が肉厚。加熱しても食感が良く、野菜本来の味もしっかりと備わっています。また、水分量が少ない分、栄養価も高い。このように、私たちの農園では、野菜の美味しさや品質をデータや数値で検証し、大きくなったから収穫するのではなく、美味しくなってから収穫する、をモットーに、独自の野菜作りに取り組んでいます。

私が農家になったのは2006年、36歳の時でした。それまでは、研究者として国の研究機関や農業試験場で技術開発にたずさわっていました。大学卒業後に赴任した、農林水産省野菜・茶業試験場では、キャベツについて研究。その後、京都にある近畿中国四国農業研究センターに移り、担当したのがほうれん草の移植栽培でした。

ほうれん草は、芽が出にくく、播種後の発芽期の生育が大変不安定な作物。温度や湿度が、その後の生育にも大きな影響を与えてしまうため、繊細に扱わなければなりません。そのため、限られた土地で安定的な収量を上げたい中山間地や都市近郊において、ほうれん草の栽培はひと筋縄にはいかないもの。そこで、効率良く栽培できる方法として、直播きではなく、ビニールハウス内で育苗し、移植して栽培する技術を開発したのです。この畑では、その研究成果をさらに進化させて冬の水田を活用したほうれん草作りを実践しています。

そして、私たちは、津市の他に、夏は秋田に場所を移して農業をしています。緯度と標高差のある日本では、場所を移すことで時期を問わず農業ができるのです。このように自然科学に基づいて合理的にアプローチすることで、農業の分野はもっと発展すると考えています。これまでの研究実績を活かしながら、新たな可能性を模索し、日本の農業を盛り上げていきたいと日々奮闘しています。

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