極みの料理

2013年10月8日放送分

愛知県西尾市産(佐久島産) 大あさり

産地のご紹介

潜り漁師 加藤英明さん

潜り漁師 加藤英明さん

profile

1975年、佐久島生まれ。高校卒業後から26歳までは、島を離れていたが、勤めていた会社の倒産をきっかけに島へ戻った。潜り漁のベテランである父のもとで漁のいろはを学び、経験を積んだ。現在は、妻の麻紀さんも仕事を手伝い、夫婦二人三脚で取り組んでいる。

大あさりは、佐久島の周辺で良く獲れる海産物のひとつです。島内の食堂で生まれた“大あさり丼”が有名になったことから、佐久島の特産品として知られるようになりました。形がアサリに似て、10㎝前後と大きいことから、大あさりと呼ばれていますが、これは通称。まったく別種の貝です。島周りで潜り漁ができる4月~11月は捕れますが、旬は5月から6月。身が貝の中いっぱいに膨らんで、やわらかく旨みもしっかり詰まっています。

私が、潜り漁を始めたのは26歳の時でした。潜り漁師の父を見て育ち、子どもの頃の楽しみは、海に潜って遊ぶこと。漁の手伝いをするのも楽しく、海の仕事にも興味を持っていました。高校卒業後は、一旦島を出て進学し、その後、会社勤めも経験しましたが、26歳の時に島へ戻り、それからは父と同じく潜り漁師として島の漁業にたずさわってきました。

潜り漁は、“潜って捕る”という、古典的な佐久島の伝統漁法です。唯一使うのは、半円型のオリジナル手作り漁具。佐久島の潜り漁師の間では、漁具は自分で作るものと決まっています。自分の仕事がしやすいように、それぞれのこだわりと工夫を凝らして完成させます。海底に隠れた貝を掘り返しやすいように、カーブの部分を内側に少し曲げたり、手首を通すためのストラップを付けたり、形も大きさも様々です。

大あさりをはじめ、サザエやアワビなど、捕れるのは貝類が中心です。一日に何度も海底に潜って海底に隠れた貝を探し、一つひとつ手で捕っていきます。ポンプなどを使って一気に大量に捕る方法ではないため、貝を傷付けることなく出荷できます。自分が苦労した分、その成果を手にすることができるのが、潜り漁の醍醐味です。今、佐久島には、豊富な海の幸に加えて、アートという新しい魅力ができ、観光客が増えています。これからは、その期待にも応えられるよう、島の活性化にも取り組んでいこうと計画中です!

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