極みの料理

2011年3月1日放送分

愛知県知多産 知多豚

食材のご紹介

JAあいち知多農業協同組合 畜産アドバイザー 平木章男さん

 

JAあいち知多農業協同組合 畜産アドバイザー 平木章男さん

知多豚とは、知多半島産の豚肉の総称です。知多半島は、愛知県内でも畜産が盛んな地域のひとつ。養豚に限らず、酪農や肉用牛の生産も活発で、酪農では農家一戸当たりの飼養頭数が多い。さらに、肉用牛の生産では、酪農を基盤とした乳肉複合経営の農家が多いのが特徴で、生産者グループがブランドを立ち上げ、精力的に生産しています。

養豚業については、数でこそ酪農や肉用牛には敵いませんが、研究熱心な生産者が多く、なかには業界誌で取り上げられる養豚場もあるほど。独自にブランドを立ち上げて、銘柄豚を販売している生産者もあります。例えば、常滑市内にある株式会社知多ピッグの「都築ポーク」や「知多ポーク」、南知多町にある家田畜産の「知多ハッピーポーク」がその一例です。

現在、養豚農家数は30軒ほど。昭和50年頃から年々減少していますが、飼育設備の改善や作業の効率化などが進み、1戸当たりの飼養頭数は大きく拡大しています。そして、安心・安全へのこだわりはもちろん、美味しさの追求にも、生産者、そしてサポート役の私たちも全力で取り組んでいます。知多半島の養豚農家が手塩にかけて育てた知多豚。これからもっとたくさんの人に愛される豚肉になって欲しいと思います。

産地のご紹介

株式会社 知多ピッグ 都築周典さん

株式会社 知多ピッグ 都築周典さん

profile

1951年、常滑市生まれ。半田農業高等学校農業課で酪農を学ぶ。卒業後は家業の稲作を手伝いながら、堆肥作りも兼ねて養豚を始める。現在は母豚550頭を抱え、1ヵ月に約1000頭出荷。ところが、近年は出荷量を上回る注文が殺到。増産にも力を入れている。

品質の安定ではなく、必ず今より良いものを作る。それが、私のこだわりです。養豚を始めた頃は、設備の機能が不十分で、今は自動調整できる豚舎内の室温も、すべて手作業での管理。気温変化の影響で体調を崩しやすい春や秋は、必死で窓の開け閉めをしていました。子豚が生まれた時には、凍え死んでしまわないように体についた羊水を丁寧に拭き取って温めてやったりね。時間も労力も、今の倍以上必要でした。

そんな中でも、同業者の勉強会に参加したり、より豚の品種をより高品質なものに変えたり、飼料の配合を見直したり、豚肉を成分分析に出したり。各所で専門家の意見を聞き、それを積み重ねて、今のノウハウを築いてきました。その成果のひとつとして、ウチの豚肉には、旨み成分のオレイン酸と抗酸化作用のあるビタミンEが、通常平均の2~3倍含まれています。名古屋市中央卸売市場高畑市場(南部市場へ移転)で行われた共励会では、優秀賞のお墨付きをいただきました。

現在、主な取引先は、愛知県内のダイエーをはじめとする大手スーパーや精肉店。「都築ポーク」や「知多ポーク」といった独自の銘柄豚を付けて販売しています。それは、地元の皆さんに馴染み深い身近な食材として利用していただきたいから。それに、小売店に行けば、自分の目で肉の売れ行きや品質をチェックできますよね。養豚に終わりはありません。常に上を目指さなくちゃ。好きな事だから毎日楽しみながらね。

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