極みの料理

2010年9月14日放送分

三重県産 カマス

食材のご紹介

三重外湾漁業協同組合 浜島事業所 森竜也さん(右)・柴原寛之さん(左)

 

三重外湾漁業協同組合 浜島事業所 森竜也さん(右)・柴原寛之さん(左)

志摩で水揚げされるカマスには、アカカマスとクロカマスの2種類があります。クロカマスは志摩の通称で、和名はヤマトカマス。アカカマスよりも小型で、背全体が黒いのが特徴です。例年、梅雨明け頃から本格的に水揚げされますが、成長と共に身に脂がのってくるので、8月下旬から9 月半ばまでが旬。現在は、定置網漁で他の海産物と一緒に水揚げされていますが、昭和40年頃まではカマス漁の操業もあったようです。

以前は水揚げ量も多く、地元では昔から馴染み深い魚。食卓にもよく並びます。漁師でなくても、夕食のおかずを獲りに自分で船を出してカマスを釣ってくる人もいるんです。釣り糸にいくつも疑似餌を付けて海に垂して釣り上げる、サビキ釣りという方法で行われています。定番料理は、塩焼きや煮物、干物、天ぷら、フライなど。大きくて鮮度の良いものは、刺身や昆布締めして食べます。こうした食べ方ができるのは、獲れたてが手に入る地元ならではの幸せかもしれません。

地元には加工業者が数多くあり、豊漁の年は干物加工が盛んです。自分で船を出して魚を釣りに行く人の中には、自宅で干物を作っている人も少なくありません。乾いた風の吹く秋から冬の間は、天日干しに絶好の時期。漁港の堤防沿いを歩いていると、あちこちでカマスが天日干しされているのを見かけます。私たちも水揚げの時期になると無性に食べたくなるんです。脂の乗ったカマスは干物にすると旨みがギュッと凝縮します。ビールが欲しくなる美味しさです!

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