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#528 7月23日

「川喜田半泥子 ろくろのまわるまま」
三重県 津市(JR紀勢線 津駅)
今から131年前、三重県津市に生まれた川喜田半泥子。仕事のかたわら陶芸にのめり込み、生涯で4万個もの茶碗を焼きました。歪んだ茶碗も、自分が面白いと思えば人前に出したといいます。焼き物には、半泥子の自由な精神が反映されています。
仕事に生き、陶芸に生きた人、川喜田半泥子。
遊び心に満ちた作品を数多く残しました。
   
明治11年、三重県津市の豪商に生まれた半泥子。
親の後を継いで、若くして銀行の頭取や県会議員となります。
   
陶芸の魅力に取りつかれたのは、30代半ば。
出勤前と後、窯へ通って腕を磨き、才能を開花させました。
   
半泥子が生涯に焼いた茶碗は4万個。膨大な数です。
窯から出した時、欠けたり歪んだりしていても、そこに味わい、良さを見つけて、面白がったといいます。
何ものにもとらわれず、大胆で、挑戦的。
茶碗は半泥子の人柄そのものを写しています。
   
半泥子が手がけたのは、茶碗だけでなく茶杓や花入れまで、茶道具すべて。
茶室まで設計し、自分の好みを形にしました。
   
半泥子が晩年、過ごした廣永(ひろなが)陶苑にある小さな像。
体が不自由になった自分の身代わりにと、作りました。
焼き物には作者の生き方が反映する、と考えた半泥子の自由な精神が宿っています。
   
お問い合わせ

廣永陶苑  059-237-1723
石水博物館  059-227-5677