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あらすじ

社長室で短歌を詠んでいる松本雄太(梅沢富美男)。彼は覚悟を決め、ビデオに向って語り始める。「これから話すことをおどろかないで聞いて欲しい・・・」とそこにチーンとおりんの音が。

場所が変わって会社の保養所。そこに飾られた雄太の遺影。この日は亡き雄太の偲ぶ会が開催される。妻の花枝(野際陽子)はそわそわしながら待っていた。何故なら会を主催した顧問弁護士からは出席者を知らされていないからだ。他にも不思議なことが多い。夫が大事にしていた装飾品などが見つからない上、夫が亡くなる前日に、枯れた白い薔薇をくれたことなど、花枝にはなんだかしっくりこないことばかり。そこへようやくやってきたのは義理の妹の伊都子(松田美由紀)と、その娘カンナ(安達祐実)だった。出席者が知り合いだったことにホッとするのもつかの間、次にやって来たのは、内田ちよみ(紺野まひる)。ちよみは取引先の社員だが、なぜ社長ではなく社員の彼女が来るのか?するとちよみが持ってきた小輪の黄色い薔薇の花束を見て、「花言葉は“笑って別れましょう”ですね」とカンナが意味深なことを言い出す。意味が分からず不思議そうな一同。そこへ荒々しく扉が開いて、謎の中年女性が現れる。女性は4人を完全に無視して、遺影に一目散で向うと大粒の涙をこぼして「雄ちゃん!」と絶叫する!この女性の名は今川初(阿知波悟美)。ひとしきり自分の世界に浸ったあとで、おりんをチーンと鳴らし「さっさと始めましょか?」と場を仕切りだす始末。
「どなたか存じ上げませんが少し失礼なんじゃありません?」と妻の花枝。
「存知上げたいのなら会を始めてはいかがですか?奥様」と挑発する初。
完全に初の主導で会が始まった。実は、初は雄太とは幼馴染。雄太を「雄ちゃん」と呼ぶ仲だったのだ。一同腑に落ちたところで花枝が緊急の電話で一時退席する。すると自分と雄太との歴史の一部を語り始める初。
「細く長くね、ずっと続いたから」
「どんな関係?」「愛人?」
否定しない初。それどころか
「白々しいわね。あなた達も同じ穴の狢でしょ」と開き直る。
否定する伊都子とカンナ、否定も肯定もしないちよみ。
「あの弁護士から、5通手紙があるって聞いてるんでしょ?だから来たんでしょ」と初。
今度は誰も否定しない。どうやら雄太はこの5人の女性宛てに手紙を遺しているようだ。
「それで私みたいなのが呼ばれるなんてピーンと来ない?遺産に決まってるじゃない」
「!!!」

顔色を窺う一同。直後に花枝が戻ってきて、怒涛の修羅場に突入していく・・・。