今までの公演

#355 新納慎也「夜中の合図」

今回のゲストは新納慎也さん。中井さんが「ミュージカル界で知らぬ者なし」と断言するほどの実力派だ。新納さんは入ってくると「スジナシに出るのが一つの目標だったんです」と嬉しいお言葉。しかし緊張されているようで、新納さんは「このままフリートークを続けたいです」とスタジオを笑いに包んだ。そういうわけにもいかないので、即興ドラマを演じて頂く。スタートは鶴瓶さんが板付き、新納さんがフレームインだ。

新納は、竹刀を杖のようにつきながら入ってくる。足を引きずるような感じで、まさに満身創痍という言葉がぴったりだ。新納は「人間?人間?」と言いながら鶴瓶に抱きつく。鶴瓶は「え?何があったんですか?」と驚く。新納は何かに怯えているようだが、鶴瓶は冷静に対応する。新納は「外に出ましたか?」と聞くが、鶴瓶は校内で作業をしていて、しばらく外には出ていないのだという。一体外では何が起こっているのか。

新納は「外に出てないんですか?」と確認すると「誰も居ないです」と意味不明な発言をする。鶴瓶は状況を掴めない。新納は隣の中学校で教師をしているが、夕方の5時から誰もいないのだという。校内にも町の中にも誰も居ない。鶴瓶は真っ暗な部屋の電気をつけてみるが、電気は正常についた。鶴瓶は「待っとってや」と部屋を後にし、外の様子を確認しに行く。一人残された新納は「誰かー!!」と叫び、落ち着かない。鶴瓶が戻ってきた。焦った様子はないが「いつもついてるコンビニの電気が消えてた」と言う。鶴瓶は異常なほどに落ち着いている。

新納が「あのーお名前は?」と今更ながらに聞くと、鶴瓶は「心外やな。なんか疑ってはんの?」と不気味な笑みを浮かべる。新納は恐怖のあまり、教室に置いてあった地球儀を抱いている。鶴瓶は「私は斉藤です。この学校で剣道部の顧問をやってます」と自己紹介すると、続けて「夜中の2時まで何でこんなとこにおったか聞きたい?えらいことになるで」と意味深な発言。新納は恐怖で、鶴瓶から自然に離れている。鶴瓶は新納を追うように近づくと「地球上にはアンタと私だけかも。人間はアンタだけかも」と恐ろしいことを口にする。この言葉で新納は確信した。鶴瓶は人間ではない何かだ。

新納は声を絞り出し「目的はなんや!!何者や!!」と叫ぶと、鶴瓶は「目的は・・・わしの星のやつを全部連れてくることや」と不敵な笑みを浮かべる。鶴瓶はゆっくりとロッカーの方へと歩いて行き、リコーダーを手に取る。新納は「なんやそれ!!吹くな!!吹くなよ!!絶対吹くな!!」と叫ぶが、鶴瓶には絶好のパスだった。鶴瓶は「ニヤッ」と笑うと、リコーダーを「ピーッ」と思い切り吹く。新納は「ギャーッ!!」と悲鳴を上げ、頭を押さえて倒れこむ。ここで中井さんのOKコール。

スタジオに登場したときは、紳士的で堂々としていた新納さん。しかしドラマの直前で、セットした髪をグシャグシャにし、服装を乱した。ドラマ中は怯え続け、まるで別人のような新納さんであった。

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