今までの公演
#333 | 滝藤賢一「明日」 |
今回のゲストは滝藤賢一さん。スジナシについて聞かれると、滝藤さんは「役者を目指してから出ることが目標でした」と答える。鶴瓶さんが「嘘でしょ!?」と驚くと、滝藤さんは「ちょっと言い過ぎました!!」とスタジオを笑いに包んだ。お二人とも衣装は作業着で、スタートは両者とも外から入ってくる。
鶴瓶が「黒田!!」と名前を叫びながら入ってくると、滝藤は返事をしてフレームイン。鶴瓶は「お前ここで働いて何年や?」と聞く。滝藤は18年間この町工場で働いていた。すると鶴瓶は「ここ閉めなあかんねん、来月で」と明かす。前々から決まっていたことだが、言いにくかったようだ。鶴瓶は気持ちの整理がついているようだが、滝藤は「えっ?」とかなりショックそう。鶴瓶は封筒を持ち出し、滝藤に渡す。その中には200万円が入っていた。店を閉めることになってしまったので、鶴瓶から滝藤への気持ちだ。お金を見た滝藤は「じゃあ2年前にやめたらよかったじゃないですか!!」と抗議。この工場は、2年前も危ない状況にあった。鶴瓶はなんとか踏ん張りここまでやってきたが、限界をだった。
鶴瓶は「それで堪忍してくれや」と封筒を押し付ける。しかし滝藤は「いらないっす。工場続けましょう」と受け取らない。せめてもの気持ちとして、鶴瓶は無理やり渡そうとするが、滝藤は「じゃあなんであの時ついて来いって行ったんだよ!!」と叫ぶ。店を閉める大きな原因は、最近得意先が潰れてしまい、経営を続けることが困難になってしまったことだ。滝藤は鶴瓶に100万を貸していたが、滝藤は「返さないんでいいんでやりましょう」と、意地でも封筒を受け取らない。どうしてもこの工場を続けたいのだ。
それでも、無理やり封筒を渡そうとする鶴瓶。滝藤は上の作業着を脱ぎ「何だよこんなもん!!」と叫び、思いっきり投げ捨てる。鶴瓶は「お前の就職先探してやるから・・・」と最後まで面倒を見るつもりだ。しかし滝藤は「ここでいいです・・・ここでやりましょうよ・・・」と涙を流す。滝藤はこの工場に対する想いが強かった。早くに両親を亡くした滝藤を、鶴瓶は温かく受け入れた。
鶴瓶は「俺が死ぬと3000万入んねん。なんぼかお前の口座に入るようにするから・・・」と申し訳なさでいっぱいだ。鶴瓶は保険金の一部を滝藤のものにするつもりだ。しかし滝藤は納得しない。滝藤は「自己破産しよ!!」と言うが、鶴瓶は「そんなみっともないことしたくない」とプライドをとる。
それを聞いた滝藤は「じゃあ死ねよ!!今すぐ死ね!!」と怒鳴る。滝藤はロープを取り出し、天井にくくりつける。首を吊るような仕掛けだ。滝藤は「どうぞ」と言うが、もちろんロープは滝藤の指紋だらけ。もし鶴瓶がここで自殺をすれば、滝藤が最初に疑われることになる。しかし鶴瓶は、滝藤がここまでしてくれる気持ちが嬉しかった。鶴瓶は「俺はお前のことが大好きや。何でそんなに優しいねん・・・」と泣き出しそう。滝藤の熱い想いに胸を打たれ、鶴瓶は「自己破産していいんかな・・・」と言う。それを聞いた滝藤は「しましょう。手伝います」と力強くうなずく。ここで中井さんのOKコール。
ドラマが終わると、中井さんの目には涙が。血はつながっていない二人であったが、強い絆に感動しているようだ。滝藤さんは大声を出したり、上着を投げ捨てたり、感情を前面に押し出して演じきった。鶴瓶さんの「店を閉める」という意思は揺るぎない様に見えたが、滝藤さんの熱い想いは心に訴えかけた。感動で涙を流した人も少なくないはずだ。