今までの公演
#323 | 小澤征悦「告知」 |
今回のゲストは小澤征悦さん。中井さんが呼び込むと、小澤さんはすごい勢いで扉を開けて入ってくる。あまりの勢いに、中井さんは「すごい勢いですね」と思わずつっこみ。すると小澤さんは「どれだけ重いか分からなかったので、思いっきり開けてみました!!」とスタジオを笑いに包んだ。堂々とした様子の小澤さんであるが、内心はかなり緊張しているそう。どのようなドラマが出来上がるのか。スタート状況は、鶴瓶さんがフレームイン、小澤さんが板付きで椅子に座っている。小澤さんは、持ち道具にアタッシュケースを持ち込んだ。
鶴瓶はコソコソと入ってくる。なにやらデスク周りを漁っているが、探しているものが見つからないようだ。一度小澤の膝の上に座って休憩し、再び何か探し出す。小澤は立ち上がり、鍵を渡す。堂々とした態度である。鶴瓶は受け取ると「何で分かったん?」とニヤニヤしている。お互いに「久しぶり」と挨拶をするところを見ると、古くからの知り合いのようだ。
鍵を受け取った鶴瓶は「用事あるからちょっと行ってくるわ」と言う。それに対し小澤は「気をつけろよ」と送り出すが、鶴瓶は「お前にそれ言われて捕まったからな・・・お前の『気をつけろよ』は怖いわ」と部屋を後にする。鶴瓶は前科者のようだ。少し経つと、鶴瓶は部屋に戻ってきた。すると鶴瓶の陰謀が明らかとなる。それは、この会社を潰すこと。鶴瓶は「しょーもない理由で7年間も入れられた」と、会社のことを恨んでいるようだ。
鶴瓶は「7年間入ってた分、形で表してくれや」と言う。小澤はアタッシュケースを取り出し「入っているかもしれない。入ってないかもしれない。でも鍵は開かない。暗証番号は俺しか知らないからな」と強気な態度だ。続けて小澤は「俺は謝りに来たんだよ。悪かったと思ってるよ」と言うが、謝っている口調からは程遠い。それを聞いた鶴瓶は「俺には1億もらう権利がある」と主張する。捕まったことによる『損害賠償』のようなものであろうか。すると話題は、事件当日の事へ。
鶴瓶は「刑事が入ってきた瞬間、お前の体消えたな。不思議なやつやで」と、事件の日を振り返る。しかし小澤は「お前俺が逃げたと思ってんのか?」と言うと、不敵な笑いを浮かべる。小澤がここに来た理由は、鶴瓶に大事なことを伝えるためであった。それは『鶴瓶が病気である』こと。小澤は立ち上がると「俺のどこが透明なんだよ?あ?だから7年くらったんだよ」と食ってかかる。鶴瓶の病気とは、周りの人が見えなくなってしまうというものであった。事件の日、鶴瓶の一味の計画は警察にばれていた。しかし警察が見えなかった鶴瓶は、警察の中に一人で潜入し、逮捕される。小澤が消えたわけではなかったのだ。
鶴瓶は怖くなり、アタッシュケースを持って逃げようとするが、小澤は逃がさない。小澤は「この中に何が入ってると思う?俺が1億渡すと思うか?」と言う。鶴瓶は小澤に襲い掛かるが、ここは小澤に軍配が上がる。座り込む鶴瓶。小澤は「チェーホフって知ってるか?その中に『物語に拳銃が登場したら、その拳銃は発射されなければならない』って言葉があるんだ・・・。この中に何が入ってると思う?」とアタッシュケースを突き出す。どうやら中身は拳銃で間違いないようだ。怯える鶴瓶を見て、小澤は「別に今お前をどうこうするつもりはねーよ。ただ物語に拳銃を登場させただけ」と言う。小澤が決め台詞を放ったところで、中井さんのOKコール。
ドラマが終わると、あまりに格好よすぎるドラマに、鶴瓶さんは「おー!!」と歓声をあげる。緊張していたとは思えないほど堂々と演じきった小澤さん。『物語に拳銃が登場したら・・・』という一説は、小澤さんが大好きな村上春樹さんの本から引用したという。鶴瓶さんと中井さんは大満足。中井さんが「小澤さんらしいドラマになりましたね」と言う通りのドラマとなった。