今までの公演
#319 | 安藤玉恵 「エリーゼのために いいえ、あなたのために」 |
今回のゲストは安藤玉恵さん。中井さんは安藤さんの舞台をよく見に行っているらしく「こんなところで会うなんて変な感じですね」と嬉しそうに言う。上品さが漂う安藤さん。『ピアノ教室』という設定がよく似合っている。一体どんなドラマが出来上がるのか。ドラマは二人とも板付きでスタート。
鶴瓶は「では続きから・・・やってごらん」と仕掛ける。安藤は「わかりました」と返事をすると、椅子に座りピアノを弾き始める。どうやらベートーヴェンの『エリーゼのために』のようだ。しかし鶴瓶はピアノの音色を聞くと、安藤の手をいきなりパシッと叩く。安藤は「痛っ!!何!?」と反応すると、鶴瓶は安藤の演奏にいちゃもんをつける。鶴瓶がしばらく文句を言っていると、安藤は「じゃあ先生見本を見せてください」と鶴瓶に弾かせようとする。
鶴瓶は椅子に座ると、ピアノを弾き始める。徐々に感情移入し、楽譜を投げ捨て、肘を使って弾く。鶴瓶曰く『ニューヨーク仕込み』のものらしい。もちろん適当に弾いているだけ。やりきった鶴瓶は、再び安藤に難癖をつけ始める。
すると、鶴瓶は「あなた以前ここで破水したでしょ?」と過去の話を出す。安藤が妊娠していたとき、このピアノ教室で産まれそうになったという。安藤は「頭が少し出てました」と言うが、何とか耐え抜いた。その子供はもう4歳になったらしい。安藤はこの教室に5年前に来た。そしてその後、妊娠・出産。鶴瓶は「まだ旦那さん見たことないですね・・・どんな方なんですか?」と聞くと、安藤は「旦那はいません」と答える。ここで鶴瓶はいやな予感がした。
落ち着かない様子の鶴瓶だが「そんなわけないでしょ!!」と自分に言い聞かせるように言う。安藤は「写真見たことありましたっけ?」と鶴瓶に娘の写真を見せる。鶴瓶は「合成でしょ?」と苦笑い。どうやら自分にそっくりな娘のようだ。鶴瓶は「アナタが誘ったんでしょ!?たった一回でそんなことになる訳ない!!」と関係を持ったことは認めている。さらに鶴瓶は「相手が私ではないということだけハッキリさせて下さい!!」と情けない発言。
それを聞いた安藤は「言わないで隠してた・・・『エリーゼのために』を弾いたら・・・」と、抑えてきた感情がこみ上げてきてしまった。しかし安藤は『エリーゼのために』を弾けなくなってしまったようだ。悲しい顔をしている安藤に、鶴瓶は「弾けるよ・・・やってみ!」と暖かい声をかける。安藤は再び椅子に座り、鍵盤に手を添える。安藤は「やっぱり出来ない・・・」と言うが、鶴瓶は「やりきってみ!!」とアドバイス。すると安藤は『エリーゼのために』を上手く弾き始めた。完全自分の世界に入り込んで演奏している。しかし・・・途中から、吹っ切れたように適当に弾き始める。楽譜を見ずに肘を使い、まるで先ほどの鶴瓶を見ているかのようだ。
安藤の演奏が終わると、鶴瓶は「いいよ!!そうようことだよ!!」と大絶賛。安藤は満足したように「よかった・・・。それじゃあ、もう二度と来ませんから」と荷物を片付ける。鶴瓶は「そんなこと言うなや・・・」と寂しそう。鶴瓶は安藤に曲を捧げるため、椅子に座る。ピアノを弾き始めるが、一層激しさを増している鶴瓶のパフォーマンス。指を使い、肘を使い、そして今度は頭も使って演奏する。安藤は笑いを堪えながら見ている。演奏が終わると、馬鹿にしたようにゆっくり拍手し、部屋から出て行く。ここで中井さんのOKコール。
安藤玉恵さんという気品がある女性をゲストにお迎えした。安藤さんは『エリーゼのために』を弾き、安藤さんらしい上品なドラマが出来上がるかと思いきや・・・。鶴瓶さんの激しい演奏パフォーマンス、そして最終的には安藤さんも激しいパフォーマンスを見せた。二人はスジナシで羽目を外し、大満足したようだ。