今までの公演

#304 平岩紙 「切ない約束」

今回のゲストは平岩紙さん。『大人計画』からは過去スジナシに出演していただいた方も何人かいる。鶴瓶さんは「ここの劇団の人たちは出るべくして出てくるね」と大絶賛。中井さんも「シュールな方が勢揃いしている」と、平岩さんと鶴瓶さんの即興ドラマを楽しみにしている様子だ。

ドラマは平岩がフレームイン、鶴瓶は部長席のような場所に座っている。平岩は入ってくると「よっ!持ってきたったでー」と鶴瓶に弁当を差し出す。平岩が「奥さんのお弁当!」と言うと、鶴瓶は「どこでもらったん?」と聞く。鶴瓶と平岩は、どうやら夫婦という関係ではないらしい。平岩は「分かってないなー。今日で最後やで」と意味深な発言。鶴瓶は「奥さんの弁当食べるのが最後ってどうゆうことやねん!!」と意味が分からないようだ。更に鶴瓶は「お前から弁当受け取ってんの見られたらどうすんねん!!」と言う。二人は不倫関係にあるのであろうか。すると平岩は「大丈夫。みんなには見えてないから」と言う。

鶴瓶は、平岩の不可解な発言により落ち着かない様子。更に平岩は「一週間毎日来てるんやろ?気付くの遅くない?」と言う。平岩は『気付くのが遅いおじさんがいるから迎えに行って』という命令を受け、鶴瓶の元にやって来たという。鶴瓶はここで状況を掴んできたようだ。鶴瓶は「俺がみんなから見えてないって言うんか!!俺は認めへんで!!」と言う。しかし平岩は「でもみんなは認めてるよ。一週間も前だもん。まぁ受け入れるの時間かかるわなー」と冷静だ。鶴瓶は相変わらず納得がいかない様子だ。

しかし鶴瓶は、一週間も誰とも話した記憶がなく、徐々に現実を受け止めていく。鶴瓶は死んでいるのだ。鶴瓶が「病気か?事故か?」と聞くと、平岩ははぐらかす。更に鶴瓶は「アンタとどこかで会ったことあるな」と言う。それを聞いた平岩は少し黙り込んでから「実は私も同じ原因で死んだの」と衝撃の告白。鶴瓶と平岩の死因が一緒だということは、二人が生きていたころの関係と結びつきがあるのであろうか。平岩と話したことで、鶴瓶は少しずつ過去を思い出していく。

平岩が「一緒に行こう」と言うと鶴瓶は嫌がる。まだ現世にやり残したことがあるので、まだあの世には行きたくないようだ。しかし同時に、鶴瓶は生前に平岩と付き合っていたことも思い出す。死んだときの状況も。その場には平岩が居たことも・・・。鶴瓶は「あの後お前も死んだんか!?何で死んだんや!!」と言う。それを聞いた平岩は「一人で生きていくのは辛い」と、鶴瓶の後を追って死んだようだ。

自分が死んでいると受け止めた鶴瓶は「嫁はんにはちゃんとしておきたい」と言い、部屋を片付けに行くという。それを聞いた平岩は「勝手にすれば?」と嫉妬気味。更に鶴瓶が「嫁はん・・・怒ってるかな?」と言うと、平岩は「知らん。私に聞かんといて」と、可愛らしいやきもちだ。それを見た鶴瓶は「向こうに行ったら・・・一緒に暮らそう」と言い、その場を立ち去る。それを聞いた平岩はとても嬉しそう。ここで中井さんのOKコール。

鶴瓶さんはプレビュートークでスジナシの素晴らしい所について語った。鶴瓶さんは、最初平岩さんが入ってきたとき「若妻かと思った」ようだが、話の展開は明るいものではなく、むしろシリアスなものであった。台本がないので、平岩さんの話を良く聞いて話を展開するしかない。鶴瓶さんは「その場で相手の感情を肌で感じとり、相手に感情移入することでドラマを展開出来る」点が、スジナシの良い所のひとつであると語った。平岩さんも鶴瓶さんの感情をしっかり感じ取り、感動的なドラマを完成させた。

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