今までの公演

#296 福田沙紀 「疑惑の人」

今回のゲストは、第10回全日本国民的美少女コンテストで受賞をはたした福田沙紀さんだ。福田さんは入ってくるなり「吐き気が・・・」と会場を笑いに包んだ。鶴瓶は「でも僕とですよ。緊張なんかしないでしょう」と言うと、福田さんは「緊張します」と答えた。それを聞いた鶴瓶さんはとても嬉しそう。テンションが高くなった鶴瓶さんと緊張気味の美女。こんな二人はどんな即興ドラマを演じてくれるのであろうか。

ドラマはお二方とも板付きでスタート。鶴瓶はバス停の前で立って時刻表を見ている。福田はバス停のベンチで座っている。鶴瓶は「6時半のバスはもう出ましたよ」と仕掛ける。福田は「そうですね」と相槌を打つと、鶴瓶は「もう今日はバス来ませんよ」と言う。福田はそれを知らなかったようだが、まだバス停から動く気はなさそうだ。鶴瓶は「最近ここで変態が出たから気を付けて」と言うと、続けて「そんな格好でウロウロしてちゃいけません・・・裸みたいなものじゃないですか!!」と怪しい発言をする。福田はピンク色のシャツにオシャレなショートパンツという、とても夏らしく女の子らしい格好だ。鶴瓶の裸発言に、福田は「ちゃんと服着てます!!」と反論する。

すると、鶴瓶は「そんなん服着てないようなもんやん!!変態から言うと!」と大失言。鶴瓶は、変態という立場を自分で作り上げてしまった。福田は、ここぞとばかりに「変態から言うとっておかしいですよね?こんな所で何してるんですか?」と責めたてる。鶴瓶はこの状況をなんとか打開するため、「こんな田舎に何しに来たんですか?」と話を展開する。福田は「仕事で来たんです」と返答するが、どうやら頭の中は変態のことで一杯のようだ。福田は再び「アナタの格好どういうことですか?この土地にしてはオシャレ過ぎませんか?」と疑いをかけると、鶴瓶は「オシャレしちゃあかんのかい」と、変態容疑にやや怒り気味。すると福田は「分かりました。あなた痴漢ですね」と、遂に口に出してしまった。鶴瓶は驚きながらも「何でやねん!!」と言うが、福田は「いやらしい目でずっと見てるから・・・」と答える。鶴瓶は反論することが出来ない。

鶴瓶の変態という立場が確立されつつある中、福田は「実は、私・・・人を探しに来たんです」と告白する。父親がこの辺に住んでいる、と母親から聞いてきたという。長年この辺りに住んでいる鶴瓶なら知っているのではないか、と思ったようだ。福田は母親の名前を言うと、母親は体調が悪くて入院していることを告げる。すると鶴瓶は「家どこ?」と聞く。福田は「知ってるんですか?知ってますよね?」と喰いつくが、鶴瓶は「知らない」と言う。すると鶴瓶は「一応・・・病院の名前書いといて」と言う。福田は、鶴瓶が母親を知っているということを確信する。話を進めていくと、鶴瓶の兄の昔の恋人らしい。しかし、その兄は一年前に亡くなってしまったという。福田は涙を流しながら、お墓の場所を聞くが、まだお墓はないらしい。鶴瓶は「俺で良かったら・・・見舞いに行くってお母さんに言っといて」と言うと、「送って行くから車取ってくる。ちょっと待っといてや」と言ってバス停を立ち去る。福田の涙はまだ止まらない。

ここで中井さんのOKコール。前半の変態中心の話から一変、後半はとても深く感動的なドラマとなった。プレビュートークは笑いもありながら、後半のドラマについても色々な考え方が飛び交った。福田さんの流した涙、それが意味するものは一体なんだったのか。福田さん本人は「あと一年早ければ、亡くなる前に会えた」という悲しみの涙だったという。しかし、鶴瓶さんの「お墓はまだない」という発言は少し不自然だ。鶴瓶さんは「兄は本当は存在せず、鶴瓶が本当の父親であるが、本当のことを言ってもらえない悲しみの涙」という捉え方をしたらしい。見る人によって感じるもの、考えることが違うだろう。それがスジナシの醍醐味であり、魅力的な部分でもあるのだ。

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