今までの公演
#279
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菊川怜 「どっちもどっち」 |
今回のゲストは東大出身の頭脳派女優、菊川怜さん。スタジオに登場すると、いきなり走り回るという天然ぶり。鶴瓶さんによると「勉強をしすぎておかしくなってしまった」らしい。オープニングトークで、菊川さんは「お口にチャック」「なんちゃって」という古臭い発言やリアクションで中井さんにいじり倒される。どうやら菊川さんの周りには「昭和の風」が吹いているようだ。
スタート状況は鶴瓶が板付きで、ドミノ倒しにしてしまった自転車を起こしている。そこにフレームインした菊川がそれを手伝う。自転車を立て終え、菊川は自分の自転車に鍵をさそうとするが・・・入らない。どうやら間違った鍵を持ってきてしまったらしい。終電の時間が近く焦る菊川を置いて、鶴瓶は自分の自転車に乗り駅に向かおうとするが、菊川は「そんな自転車乗られてるんですか?」と仕掛ける。それに対し「鍵が付いてなかったから・・・」とまさかの返答。当然、盗難犯の疑いをかけられてしまう。
「その自転車乗り捨てするんじゃないんですかー?」と、まるでクラスの優等生のように言われ怒る鶴瓶。「あなたの自転車も、いつもは違う人が乗ってますよ!!あなたに似ても似つかない綺麗な人が!!」と反論。逆に盗難の疑いをかけようとする。それに対し、菊川は「あなたの基準で綺麗とか汚いとかどういうことですか?そんなあなたのタイプじゃなくて嬉しいです!!」と何とも子供じみた返答だ。
すると、またしても菊川が動く。「まさかその人のことストーカーしてるんじゃ・・・」と今度はストーカーの疑いをかける。鶴瓶は、ストーカーについては否定するが「私のタイプの人が乗ってるんです!!綺麗な人が!!」と言う。どうやら鶴瓶はその人が気になっているようだ。菊川は「その自転車だって、いつもはあなたに似ても似つかないカッコイイ人が乗ってるんです!!」と、もはや小学生の言い合いだ。
話を進めていくと、鶴瓶はその人に会うために自転車置き場に通っていたということが発覚。すると「アナタ実はかわいい人なんですね・・・。」と菊川の態度が一変。実は、菊川が乗っていた自転車は、彼女の親友の自転車なのだという。その親友こそが自転車の本当の持ち主。つまり、鶴瓶が想いを寄せている女性のものだったのだ。
鶴「この想いはどうか彼女に伝えないで下さい。」
菊「伝えなくていいんですか?」
鶴「妻も子もいますし・・・。」
と徐々に胸のうちを明かす鶴瓶。それに対し菊川は、口に手を当て「ハァーッ」と息を思いきり吸って驚いた顔をする。何とも古臭いリアクションだ。
しんみりとした雰囲気の中、菊川は「その一張羅素敵です。とても似合ってらっしゃる・・・。」と褒めたつもりで言うが、鶴瓶は「一張羅とは何ですか!!それは人をばかにした言い方だ!!私は二張羅三張羅くらいありますよ!!」と再び怒りだす。キレた鶴瓶を背に、菊川は「時間がない!!」と鶴瓶の自転車を奪い逃げようとするが、自転車が上手く動かない・・・。どうやらパンクしてしまったらしい。「パンクさせたなー!!」と鶴瓶の怒りが最高潮になったところでOKコール。
終始互いの揚げ足を取り合う展開。子供のケンカのようだ。「どっちもどっち」なやり取りであったが、その芝居の中でも菊川さんの「昭和の風」が所々吹いていた。タイトル付けの際に鶴瓶さんが「ドラマじゃなくてコントや!!」と言っていたように、非常に愉快なドラマとなった。