今までの公演
#275
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鈴木砂羽 「絶対優位」 |
今回は中井さんがとても楽しみにしていたという鈴木砂羽さんがゲストである。鶴瓶さんは奥様から頂いたいい匂いがするハンドクリームをつけ、フリスクを食べてきたという。中井さんは「キスつもりなんじゃないですか?」と会場を笑いの渦につつんだ。
ドアの外から店長役の鶴瓶が中を覗き込んでいる。倉庫の中では、パート役の鈴木が携帯をいじっていた。鶴瓶は中に入ると、さっそく怠慢な態度を叱りつける。ひたすら無愛想に謝る鈴木であったが、怒った鶴瓶は口を休めることはない。勤務態度のみでなく、次長との浮気の疑惑までぶつける。実は、このことを突き止めることが鶴瓶の本当の目的だったのだ。
鈴木はパートの前川の告げ口だと踏んだ。普段から監視されていると感じていたらしい。「前川さんから聞いたんですか?」と聞くが、鶴瓶は話を曖昧にし、いじっていた携帯を見せるよう要求する。
あまりにしつこい鶴瓶に対し「いいですか?店長が困りますよ?」と態度が一変。実は、前川と鶴瓶も良からぬ関係にあることを鈴木は知っていたのだ。鶴瓶は「どういうことなん?」「俺と麗子(前川)の写真でも撮ったんか!?」と戸惑いを隠せない。しかし、なんと前川本人からのメールで知ったという。
優位を取られた鶴瓶は、見るも無惨である。「お願い・・・携帯見せて・・・。」と土下座で懇願する姿は、劇前半からはとても想定できない。渋々見せた鈴木から携帯を受け取ると、メールを見て唖然とする。「頼む、消してくれ・・・。」と追いつめられた鶴瓶は言うが、鈴木は拒否。「この話は私と店長だけにしましょう。」と話をまとめようとする。鶴瓶とは対照的に、非常に落ち着いた様子である。sしかし、最後に付け加えた「私と万田部長のことは。」というひと言が鶴瓶を驚かせる。「万田やったんか!万田やったんか!」と驚きのあまり絶叫し、劇は終幕。
『絶対優位』というタイトル通り、「店長が困りますよ?」というひと言から完全に主導権は鈴木へ。前川からのメールという確たる証拠がある限り、鶴瓶には鈴木の優位を覆すことが出来なかった。