今までの公演

#268

 

松重豊 「その男、裸族につき」

今回のゲスト圧倒的な存在感で、日本映画には無くてはならない役者として大人気の松重豊。

設定は「空きオフィス」。何もかもが普段通りに思えたが・・・・。

いつものように中井がゲストを呼び込むと、入ってきた松重はパンツ一丁。一体何が起こったのか?

それよりおよそ1時間前、松重さんの控え室周辺は上へ下への大騒動。スタッフのミスにより、当初松重さんが着る予定だった警備員の衣裳が用意されていなかったことが発覚。加えて収録当日は土曜日でリカバリーが非常に厳しい。すると松重が「それならハダカで出よう」と機転を利かせてくれて、この前代未聞の登場劇となったのであった。

肝心のドラマのほうは、こんなアクシデントがあったとは思えない最高の出来になったのである。

松重板付き、鶴瓶フレームインで始まったドラマ。パンツ一丁で困っている松重。このとき、松重は自分の頭の中であるストーリーを構築していた。その物語とは、松重は追いはぎにあって、パンツ一丁になってしまい、この事務所に逃げ込んで来た。困っていることころに偶然入ってきた鶴瓶から、あの手この手で服を奪ってこの場を脱出しよう、という完璧なもの。

そこへノックがあって「失礼します」と言って入ってきた鶴瓶。すると・・・。

鶴瓶も、パンツ一丁での登場だ。裏で衣裳を脱ぎ捨てたらしい。

これには松重も、中井も、スタッフも驚愕。スタジオではパンツ姿の中年2人がドラマを展開していくことになった。松重の思惑早くも崩壊・・・。

「いやー、同じ目に会う人がいるんだあ」と先に台詞を出したのは松重。状況に飲まれず、冷静さを失わないあたり、さすがである。どうやら2人は大男に身ぐるみはがされて、追いはぎにあったということらしい。それで、2人はパンツ一丁。松重はオフィスの目の前にある女子高の教師、鶴瓶は隣の服飾専門学校の理事。2人ともさすがにハダカで表に出るのは難しい。変態扱いされてしまう。しかし、空きオフィスなので、2人が着るようなものは何も無い。あるのはデスクと長い電話のコードぐらい。

2人はなんとかここから脱出するためにあれこれ考える。ハダカでやらなければならない何か・・・?

トランクスを陸上競技のパンツに見立てて、競歩をしていたというのはどうか?とか、上半身ハダカを生かしてボクシングをしていた、というのはどうか?などの案が出るがどうも決め手に欠ける。

すると、「表に人の気配がする」と鶴瓶が言う。そこでその人に助けを求めようということになる。どっちが様子を見に行くかジャンケン決め、表に出る松重。すると松重はズボンを手に戻ってきた。鶴瓶が裏で脱ぎ捨てたものが残っていたのだが、それを松重は「大男が返しに来た」「俺のは黒いズボンだ」として自分のものだと主張する。果ては無理くり穿いて見せて、丈が足りないと分かると「洗ったな!縮みやがった!」と強引に自分のものにしようとする。しかし鶴瓶の抵抗に合い、ズボンは取られてしまう。

少しだけだが、脱出に向けて前進したようにも思える。そこでこの格好で助けを呼んできてくれと言う松重に対して、ズボンだけではさすがに外には出られないと鶴瓶が主張する。

困っていると偶然目入ってきた電話のコード。試しにそのコードで、鶴瓶をグルグル巻きにしてみた。すると、その姿が“捕らえられた人”っぽく見えて非常に説得力があるものになった。この事実に大喜びした2人は、お互いをグルグル巻きに縛り、助けを求める鶴瓶と事務所にパンツ一丁で捕らえられている松重、というナイスな役割分担を思いつく。しかし、電話線は1本であり、鶴瓶が動けば、松重も動くというなんともならない状況になってしまった。それでも強引に表に出ようとする鶴瓶とパンツ一丁では表に出られないという松重とが大暴れで、大混乱となり・・・。OKでーす。

松重様、大変申し訳ありませんでした。(スタッフ一同)

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