今までの公演

#265

 

羽田美智子 「倉庫DEセラピー」

今回のゲストは羽田美智子さん。ナチュラルな芝居で観る人をグイグイ引き込む魅力のある女優だが、実はもの凄い天然キャラだったのだ。ドラマもその天然ぶりがいかんなく発揮された回となった。設定は「港の倉庫」。

開始早々その天然ぶりが発揮された。鶴瓶はこの倉庫の人になって何やら羽田に説明しているところからドラマを始めようとした。歩きながら鶴瓶が喋る「それでね木村さん・・」。と振り返ると当の羽田(木村さん)がいない。慌てて戸口に呼びにいくと「はい、私木村です」とトンチンカンな自己紹介をしながら登場してきた。さすがにこれには驚く鶴瓶。その後も鶴瓶に対して「今日の方?」とか「始めまして、こんにちは」と見事なまでのマイペースでドラマが進行していく。

それでも鶴瓶はドラマを進行させようとおおまかな設定を先回りして語りだす。それによると鶴瓶はこの倉庫の管理を任されている人で、羽田がここを借りにやってきて、今下見の真っ最中といった設定が浮かび上がってくる。

ここからはさすがに大女優。すぐに設定を飲み込むと、鶴瓶さんに乗っかりながらドラマを進行していく。しばらくは探りあいが続き、2人のバックボーンなどをそれぞれが語りながら、お互いの出方を見ているようだ。

で、ようやくドラマは本線に戻って、羽田が借りに来た理由が語られる。羽田はここでセラピーを始めようと考えているらしい。つまり羽田はセラピストで、ここに患者を集めて仕事をしようと思っているらしい。そこで羽田は試しに鶴瓶に対してセラピーを開始する。

羽田曰く「簡単に病気になってしまう」らしく「ネガティブな想いや言葉を続けていくと心がダメになってしまう」らしい。

そこで羽田は鶴瓶にネガティブな言葉を浴びせてみた。「きっとダメだと思う」「そう駄目だ、駄目なんだよ・・・」「もうやめた方がいいと思う」「うん、やめる、やめる・・・はあ・・・」「どうして人間やってるの?」「・・・」さすがに鶴瓶も萎えてしまった。

そこで今度はいい言葉ばかりをかけてみた。「凄い素敵!」。少し表情が和らぐ鶴瓶。「少し目が下がっている人って凄くいい人なのよ」。鶴瓶に笑顔が戻る。「太陽みたいな人!」。鶴瓶、眼鏡を外し目を大きく見開いた。「チャーミングねえ、歩く姿素敵、わあ踊るのもいい!白鳥みたい」乗せられるままに踊りだす鶴瓶。ある意味載せられ上手である。

そこで鶴瓶は自らも「時々大きな声で笑い出す病気」であることを告白する。すると羽田自身も同じ病気を患っていることを告白する。この接点でお互いの心が急接近した。

そして話題は倉庫の賃料のことになる。鶴瓶の答えは月25万。しかし羽田は甘えた声で値切りに入る。鶴瓶はこの時点で羽田に対して好意を持っており、タダにして男気を見せようとする。感激する羽田に対して、一気に鶴瓶は下心を全開にする。

「月・火・水のあなたの患者になってもいいですか?」

これは遠まわしだが、好意を告げたということである。それに対する羽田の答えは

「いいですね、是非きてください」

つまりOKということだ。

「ただし診療代は診療外の診療でもありますので、1回10万ほどいただきます」

「おい!」鶴瓶は当然ぶち切れ。OKってことじゃないのか!それともひょっとして新手の詐欺師?激しい鶴瓶の抗議に羽田は・・・・

「じゃあ特別に1回8万にします。2割引」

「はあ?」

やはり天然な羽田美智子さんでした。

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