今までの公演

#246

笹野高史 「無言劇の掟」

今回のゲストは笹野高史さん。ドラマ、映画はもちろん、歌舞伎など幅広い分野で活躍している名優の登場。設定は「公民館」。スタジオには畳の部屋が作られた。

この公民館で行われる予定の講演会のチケットを求めてやってきた笹野の対し、鶴瓶は公民館の人間ではなく、劇団の旗揚げ公演のための稽古をするためにここへやってきたという設定で始まった。ところが、笹野は鶴瓶がお芝居をしている人間だと分かると、あからさまに軽蔑した表情になり、「劇の人、劇やってんだ」と小ばかにした。続け様に「劇の人ガラ悪いからなあ」と挑戦的な態度を取った。それがもとで2人は大喧嘩となる。笹野が「劇の人」を嫌う理由は、笹野の甥が芝居の道に進んだが、悪い連中と遊ぶうちに、ぐれてしまったかららしい。とはいえ、鶴瓶とは無関係な理由で笹野が「劇」を嫌っているので、鶴瓶も猛反撃する。しばらく2人の言い合いは続いたが、ふと冷静になった笹野が鶴瓶にどんな「劇」をやっているのかと聞くと、鶴瓶がやっている「劇」は「無言劇」というジャンルだった。意外な答えに思わず吹き出してしまう笹野。そこから雰囲気は一変。2人の穏やかな会話が始まる。そして笹野は自分の事を話始める。そもそも甥に芝居の世界を勧めたのは笹野自身であった。そのことを思い出して涙ぐむ笹野を見て、鶴瓶は自分たちの「無言劇」をこの場で披露するという。甥に芝居の道を勧めた笹野だが、意外にも「劇」を見たことが無いという。

鶴瓶がやっている「無言劇」。今回のテーマは、2,3メートル先にある蛇口まで行き、その蛇口をひねるだけ、というものらしい。

そして静かに鶴瓶の無言劇が始まった。ゆっくりと1歩目を出し、緊迫する空気が流れる中、1歩目よりもっと緩慢な2歩目が・・・とそのとき、笹野には睡魔が襲ってきて、鼻が「があっ!」と鳴った。すかさず突っ込む鶴瓶。一番ダメな客だと怒り、無言劇は観客も無言で観るものだと笹野に言い聞かせ、2度目の無言劇を始める。

すると今度はくしゃみをする笹野。突っ込む鶴瓶。次第にコント風になり・・・3度目の無言劇を始める。

すると今度は「すっと行って、きゅっと捻れば・・」と言葉で突っ込む笹野。これにぶち切れた鶴瓶と笹野はまたも怒鳴りあいのケンカになる。そこで今度は笹野に「無言劇」やってみせろと言い出す鶴瓶。

笹野の「無言劇」。軽妙な動きで蛇口へと近づくと、オーバーなアクションで蛇口に手をかける。すると今度はコミカルなパントマイムで蛇口の硬さを表現し、必死に開けようとする。思いのほか硬かったのか「硬いなコレ!」と言葉を発する笹野。その自分に驚き我に返って「あ、無言劇か、難しい」とポツリ。絶妙な2人の「無言劇」。そこでOKの声が掛かった。

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