今までの公演
#223 |
高橋ジョージ |
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今回の設定は「モデルルーム」。スタジオにはLDKのセットが建てられた。日光が降り注ぐさわやかな印象だ。ここで男2人によるどんなスジナシが展開されるのだろうか。観客も予測不可能といった様子である。
高橋がソファに座って待っている(?)ところに鶴瓶がさわやかな笑顔満面で入ってきて物語は始まった。するといきなり高橋がドスの効いた声ですごんで見せた。いきなりの展開にオロオロとする鶴瓶。高橋はどうやら悪い人を演じているようだ。そして鶴瓶を昔の仲間とする。しかし、鶴瓶はその設定に抵抗するかの如く、人違いだと連呼する。それでも納得しない高橋と鶴瓶の間で押し問答が続くが、鶴瓶の巧みな誘導により高橋の身の上話が始まる。
高橋は現在逃亡中の身。以前犯した罪の時効が今日の深夜だという。それまで逃げ切り、鶴瓶(と勘違いしている元相棒)が持ち逃げしている6000万円を山分けするつもりだと話始める。そして、鶴瓶(と勘違いしている元相棒)とこのモデルルームで待ち合わせしている。とそこへ鶴瓶がやって来たので、元相棒と勘違いして怒鳴りつけてしまったという。そこ行き着くまでに高橋が背負ってきた苦労話を聞くうちに、鶴瓶は高橋を励ますようになる。そして、先ほどこの周辺を警察がうろついていたという情報を高橋に入れる。鶴瓶は動揺する高橋に対し、初めて大きな声で怒鳴りつける。「逃げろ!」鶴瓶は高橋に時効まで逃げ切るように指示する。戸惑う高橋をさらに叱咤し、高橋の背中を押してやる。高橋は意を決してモデルルームを飛び出していく。
するとそれまで厳しい表情をしていた鶴瓶に笑みがこぼれる。そう、鶴瓶こそがその元相棒だったのだ。上手く高橋を煙に巻いたと思ったその瞬間、高橋が部屋に戻ってきた。「その怒鳴り声を聞いて思い出した。やっぱりお前か!」鶴瓶の正体が高橋にばれて、もみ合いになったところでOKがかかった。緊迫、弛緩、どんでん返し。あらゆる要素が絡み合ったサスペンス劇の出来上がりとなった。