今までの公演

#220 岩松了

今回のゲストは脚本家であり、演出家でもある岩松了さん。クセのある演技でテレビ、映画、舞台などあらゆるフィールドで活躍中である。

設定は「宴会場」。スタジオにはお膳も用意され、宴会直前の様子が作られた。板付き、岩松。フレームイン、鶴瓶で始まった。

岩松がリラックスした体勢で待っていると、鶴瓶はスーツに身を固めて入ってきた。2人は知り合いの様子。お互い探りあいの中、序盤は岩松がリードする。岩松はある会を仕切っており、鶴瓶はそこへ一番乗りでやって来たという設定が浮かび上がってくる。その会とは“お見合い”だという。岩松は仲人、鶴瓶は見合い相手であり、なんと2人の子持ち。

岩松はそれを先方に伝えていないうえに、持ってきた相手の写真も不鮮明。しかも相手は鶴瓶のこと知っているという状況が作られる。鶴瓶がそこを責めようとすると、岩松はスルリとかわし、鶴瓶の前の嫁の話を持ち出す。

実は鶴瓶は前の嫁(30代半ば)とはまだ正式に離婚していないことが分かった。そこを責める岩松。

一方の鶴瓶も抵抗を見せ、見合い相手の話を聞く。岩松曰く、相手は30半ばくらいで、弟が弁護士。すると鶴瓶はそこに食いつく。「たしかあいつ(前の嫁)にも弁護士の弟が…。ひょっとしたら…」「そんなことは無いでしょ。私は前の奥さん知ってますから」とあっさり否定する岩松。物語のオチを模索する鶴瓶の方向性はあっけなく却下された。

そして岩松の興味はなぜ鶴瓶と前の嫁の仲が駄目になってしまったのかということに注がれる。鶴瓶は意を決して話し始める。しかも切れたような芝居で一気に捲くし立てた。彼女はあるゲームに嵌りすぎてしまったため、現実の世界でもゲームと同じようなことを始めた。鶴瓶が会社から帰ってくると、鶴瓶を敵に見立てて、ゲームと同じくボコボコにするという。ただスカッとしたいだけの為に。そしてそれから夕ご飯。

そんなことをするのは相手にも何か訳があったのでは、と言う岩松に対し鶴瓶は一転泣きの芝居に入る。

ボコボコにされた後の夕ご飯。それは鶴瓶が作っていたというのだ。

岩松がその話に同情し、優しく抱きしめたところでOKがかかった。

終始攻めの姿勢を貫いたように見える岩松だが、プレビュートークでは、いい加減な仲人ぶりと、鶴瓶のアイディアをあっさり否定した姿勢を責められた。まさに「攻めの演技」と「受けのプレビュートーク」という爆笑スジナシの完成だった。岩松了、恐るべしである。

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