今までの公演
#153 | あめくみちこ |
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過去、スジナシに出演し船着き場で鶴瓶の頭を思い切り殴った佐藤B作さんの奥様「あめくみちこ」さん。明るい個性的な演技で舞台やドラマを数々こなしてきた東京ボードビルショーの名女優である。
スジナシドラマの設定は「空き地」。スタジオには、街の路地裏にポツンとあるような、よく見る、住宅に囲まれた小さな空き地が作られた。ここで一体何が起こるのか?妙な緊迫感が漂う。鶴瓶はジャンバーにサングラス、少し柄の悪い風体。一方のあめくは普段着で普通の奥様という姿で登場。
スタートは、鶴瓶が居る所にあめくが入ってくることになった。鶴瓶が空き地の真ん中に怪しい雰囲気で座っている所にあめくがチリトリとほうきを持って掃き掃除しながら入ってくる。鶴瓶を意識しながらも無視して掃除をするあめく。鶴瓶も関わらない様子で無視をしている。なかなかセリフを発しない二人。沈黙。いつまでも続くにらみ合い・・・。ついに出た一言はあめく。セットに転がっていた空き缶を拾い上げて「燃えないゴミ」と低くポツリと一声。これに激しく反応した鶴瓶は、ここから、スジナシ史上でも前代未聞の総攻撃を始める。「ハンコ押してくれや」「え?」いきなり唐突なセリフである。「あんた今、燃えないゴミって言うたやろ・・」「ええ・・」「そやからハンコ押してくれって言うてんねや!」「何のことですか?あなた誰なんですか?」「さっき燃えないゴミって合い言葉を言うたから声かけたんやけど・・。あんた山下さんやろ?」「はい確かに」「中学3年の娘と小学6年の息子がおるわな」「はい」「で、旦那は行方不明・・」「え?主人を知ってるんですか?」。鶴瓶が繰り出す思いつきの展開を全て受け止めていくあめく。気をよくした鶴瓶は、すごんだり、なだめたり、大声を上げたり、突然予想外の命令をしたり・・・手を変え品を換えの展開をあめくにぶつけていく。懸命の対応を続けるあめくは必死の形相。見事に食らいついていく・・・ますますエスカレートする鶴瓶。「主人を帰してください」あめくは、主人を帰して欲しいために自分の言いなりになるであろうことは確かである。「お願いです。主人を返してくれたら何でもします。」「そうか・・わかった・・そしたら来週の木曜日に別の人間が来るからさっきと同じように『燃えないゴミ』って言うんやで。」「はい・・わかりました・・。」「自然な感じで言わなあかんで!ちょっと練習してみよか・・。」過去このようななぶられ方をされた経緯があるだけにとても楽しそうな鶴瓶。一方のあめくは主人を返して欲しい奥様になりきって素直に鶴瓶の言いつけに従っている。「燃えないゴミ」「さっきと言い方が違うなあ。もう一度!」「ハイ!えーと?燃えないゴミ」「やり直し!もう一度!!」「ハイっ!!」・・・。手に汗握る白熱の展開は、大爆笑に。出来たばかりの即興ドラマを見直すプレビュートークでは、あめくの、この必死の形相が俎上に。演技を超えた?まさに追いつめられた激しく壮絶な表情に、本人もビックリ。