今までの公演

#143 國村隼

皆さんからの熱烈なラブコールを受け、やっとお迎えした國村隼さん。今、三谷幸喜さんの「HR」でも大活躍中、大人気の個性派名優・國村隼(クニムラジュン)さんを迎えたスジナシの設定は「温室」。美術班渾身のビニールハウスには鉢植えの植物がぎっしり並べられている。スタジオからのリクエストで鶴瓶が温室の中、國村は外から入ってくることになった。カウントダウンと同時に鶴瓶は、天井から下がっている電灯を交換しはじめる。いかにも「日曜日のお父さん」という和やかな様子である。しかしその後やって来た國村の登場がその雰囲気を一変させる。緊張した雰囲気で尾行を気遣う・・というような様子にも見える。話し方も普通ではない。鶴瓶とは親しい間柄・・のようだ。しかし何かをたくらんでいるのか?それとも何かから逃げているのか?何も具体的なことがわからない抽象的な会話で展開する。ただ、端々に「俺は700万用意した・・お前は?」「俺も何とか500は・・」という程度の言葉が手がかり。互いにそれが何に関係しているのか、一体何なのかが確認できないまま進行して行く。どうやらこの温室には「山田?」と言う第三者に指定されて来たらしい。鶴瓶が「ここのどこかに500万円のコレ(指を丸めて)が隠してあるって言うてたんやけどわからんのや・・サボテンって言うたのか、それとも他の花なのか・・。」(コレとは何なのか?)具体的な話の行き先が互いに不明なため、頭の中の整理もできない。鶴瓶は「ここは携帯が通じないから向こうへ行って山田に聞いてくれ・・。」と國村を外へ出そうとする・・・。國村は慌てもしなければ動じもしない。穏やかな話しぶりに、声も重厚でセリフに重みがある。圧倒的な説得力だ。つじつまを合わせ、道理付けにと鶴瓶も必死・・。やがて國村が戻って来る。これまでの流れに整合性を付けようと両者奮闘するが、なぜか今一噛み合わない。史上最長の長い探り合いの末、ふたりは自分たちが国外逃亡組織に関わる人間であることになっていく。しかし、ドラマも終盤になった頃、國村は突然、自分は潜入捜査していた刑事であると・・・そして鶴瓶は逮捕されるのだった。終了後鶴瓶は、「始めから俺は温室でのんびりしている日曜日のお父さんやったんや!ひどい!」と怒るのだった。

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