今までの公演

#132 伊藤俊人

数々のドラマで個性的な役柄を演じる伊藤は、鶴瓶とは初対面らしい。設定は、「ミカンがあるこたつの部屋」である。スタッフからの希望で2人はこたつに入っている場面からスタートした。

鶴瓶はドテラにトレパンというラフなスタイル。伊藤は自前の赤いセーター姿であることから鶴瓶は自然に部屋の住人としてミカンをすすめながらセリフを言う。「お前な・・。奥さん出ていってしもたがな・・。どうすんねん。」とつい今まで伊藤夫婦の喧嘩の仲裁をしていたかのように話を始める。伊藤は、淡々と説教をする鶴瓶の話に割り込み、「で・・?先輩は何時になったらここから出ていってくれるんですか?」と逆転させる。いきなりの逆転攻勢に思わず笑いそうになる鶴瓶・・。「そ、それはな・・。」と咄嗟に言い訳を考える。「俺、実はお前のいトコに居たのには訳があんねん・・。」「え?」「直木賞の・・。」「・・は?・・。」「お前達を題材に小説を書いていて・・。直木賞にノミネートされて・・。候補になって・・。もう少ししたらここに電話が掛かってくるんや・・。」と如何にもとってつけたような無理がある理由である。しかし、伊藤はすっかり信じ込んだ演技をする。「え~。先輩、すごいじゃないですか!」「おお、まあな。」と信じ込んだ後輩の伊藤をまるめこむ。「で・・な、2万円貸してくれ・・。」「もちろん!・・・で、賞金はいくらなんですか?」「いや、俺も初めてでようわからんけど・・300万くらいやと思う。」「先輩!すごい人だったんですね!」「まあな。」とすっかり鶴瓶のペースである。成り行きは、鶴瓶がウソツキでぐうたらな先輩。伊藤は、人が良いためにすっかり鶴瓶に騙されている後輩というシチュエーションになる。鶴瓶が書いた直木賞受賞小説の中身は伊藤夫婦や近所の人たちを題材にしていたと言う。そんな嘘っぽい話をすっかり信じる伊藤の演技はさすがである。伊藤の奥さんが出ていったことに話が及ぶのだが調子に乗った鶴瓶は、実は伊藤の奥さんと昔からできていたことを口にしてしまうのだった。

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