今までの公演
#114 | 高橋ひとみ |
![]() |
ゲストは自然体女優高橋ひとみ。
鶴瓶いわく、非常に真面目な女優さんらしい。言葉通り、その真面目な性格がいかんなく発揮されたドラマとなった。設定は編み物をする女と居合わせた男。場所は公園のベンチである。スタートは、鶴瓶指名のスタッフからの希望を採り入れて、高橋は編み物をしながらベンチに座り、鶴瓶はその後ろで見守っている状態からとなった。「実は俺、今まで嘘ついてたけど・・。パチンコでメシ食うてんのや・・。」と告白。高橋は、「じゃあ今まで私がもらったプレゼントも?」「うん・・。」「一緒に行った旅行もパチンコ?」「うん・・。」誰もが高橋が怒るか失望するかと予想したのだが、高橋は「パチンコ・・、上手なのね・・。」と自然に言う。高橋から出る一瞬「えっ?」「なんのことかな~?」と思わせる台詞には不思議な力がある。鶴瓶には、その台詞や高橋のしぐさひとつひとつが、ある時はボディブローのように、ある時はストレートパンチのように効くのだが、当の高橋には、何の計算も無い。更に高橋は、「私も告白しなくちゃならないことがあるの・・。」「何や?」「実は・・実は私、もう50近いの・・。」「その編み物、何?」という質問にも、「これリハビリで・・。」と何かドラマがあるのかな?と期待するのだが、「指を怪我したから・・。」と言う。彼女は、本当に指を怪我していただけだった。「私のどこがそんなに好きなの?」という高橋の質問に鶴瓶は、「天然・・。」と一言で答えるのだが、どう見てもこみ上げるものに耐えながら必死で展開させていることが見てとれる。欲の無い天然、計算の無い天然に勝るもの無し!二人の関係が明らかになる。鶴瓶は今同棲している女性が居て、それも高橋の従兄弟であると告白。高橋は一瞬戸惑うのだが決して慌ても騒ぎもしない。「せやけど、お前と知り合ってからもう関係ももってないし、お前にも指一本触れなかった・・。それは俺のけじめや。結婚して欲しい!」と格好良く迫る鶴瓶。しかし・・、鶴瓶のズボンの非常口が開いている。本人は気づかないが高橋もスタジオのスタッフも気が付いている。じゃあその従兄弟に正直にお話をして了解が得られたらOKするということになり高橋は従兄弟の所へ行くことになる。が立ち上がったところで編んでいたマフラーについて鶴瓶に告げる。「このマフラーね・・。誰のかわかる?」今までの展開から「もちろん鶴瓶のだろう」と誰もが続きの台詞を予想したのだが、「私大きな犬を飼ってるの。とても大きいの、貴方ぐらいの・・。セントっていうセントバーナードなの。」鶴瓶はもう限界である「はよ、行け!」と彼女を目線からはずそうとするのだが「わたしどこへ行けばいいの?」と聞く。もう耐えられない・・。「俺のアパート・・。」と言いながらも苦しさは隠せない。高橋は、去り際に鶴瓶のジッパーを指さして「ここ開いてるわよ!」と耳打ちして去って行くのだった。高橋ひとみが平素見せている迫真の演技から気丈な女優をイメージしていた方々も多かったと思う。しかしこんなに可愛い素敵な天然が本当の高橋ひとみであることがよくわかったスジナシの名作となった。