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<論説コラム>素敵な機内アナウンスに感動と驚きそして拍手、でも「飲酒」はご勘弁

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<論説コラム>素敵な機内アナウンスに感動と驚きそして拍手、でも「飲酒」はご勘弁
さぞやイキな機内アナウンスだったことだろう。オセロ世界選手権で優勝した日本の少年を帰国便の機長が機内アナウンスで讃えたニュースは、実に気持ちのいいものだった。


■新旧チャンピオン機内共演

2018年10月上旬にチェコで開催された第42回世界オセロ選手権、ここで神奈川県に住む小学5年生の少年が優勝した。歴代最年少での優勝という快挙だった。そしてドイツのデュッセルドルフ発成田行きの全日空便で帰国の途についたのだが、その機内放送でその記録達成が紹介された。それだけでも珍しい配慮と言えるが、驚きは続いた。
機長は少年の快挙を讃えた上で「それまでの記録は自分が1982年に打ち立てた15歳での記録だった」と明かしたのだ。その機長も「オセロ少年」だったのだ。
機内は拍手から一気に驚きに変わったと伝えられている。全日空が公開した機長と少年の記念写真、新旧オセロ世界チャンピオン共演の姿は実に微笑ましい。
国際線の乗務ローテーションを組み替えることは大変だったと察する。これまでの記録保持者である「前チャンピオン機長」を帰国便の担当に急きょ配置した全日空の機敏さと柔軟性に拍手を送りたい。


■富士山の紹介アナウンス

航空機をはじめ、公共の乗り物では機内や車内で様々なアナウンスがある。
東海道新幹線に乗っていて、天気のいい日に何度か富士山を紹介する放送に遭遇することがある。「おくつろぎのところ恐縮です」などの言葉から始まり、左手の窓からまたは右手の窓から、特に冬の時期は「雪化粧した富士山がご覧になれます」と言った内容である。中央線では、風光明媚な長野県の「寝覚めの床」付近での案内アナウンス、これはかなり定番になっている。高山線でも飛騨川の絶景について放送による紹介がある。


■車内放送にも文化の違いあり

都市を走る公営バスの車内放送にもユニークなものがある。まだ乗客がまばらな段階でも律儀に「安全運行に努める」とアナウンスをする運転手さん。転倒防止のためと何度も空いている席に座ってほしいと立っている乗客に訴える運転手さん。大声で話している乗客に「周りの人のことを考えてもう少し静かにお話し下さい」とたしなめる運転手さんもいた。しかし、その一方で、少々過度な車内アナウンスもある。バスが右に回る、左に回るなど丁寧すぎるほどの放送を聞いていると、運転しながら話し続けることは大変なのにと逆に思いやってしまう時がある。
パリやウィーンなどヨーロッパの地下鉄では、あまり車内放送はない。乗客は自分の目で駅名を確かめて降りる。その時も自動ドアでなく、自分で開錠ボタンを押して降りる。初めて利用した時は、不慣れなためあわや駅で降り損ねるところだった。そういう意味で、日本の公共交通機関は細やかで、一方では少々過保護な面もある。


■安心安全へいざなう声

機内アナウンスで、しっかり的確に語る機長の声を聞くと嬉しい。この人ならきっと無事に目的地へ連れて行ってくれるだろうと確信して、どこかホッとする。安心へいざなってくれる放送だ。言葉というものはそれだけ強い力を持っている。過度の笑いを取ったり、ウケを狙ったりする必要はないが、「安全」「快適」な運航の手助けとなる機内アナウンスなら大歓迎である。
よもや搭乗前の過度の飲酒によって、呂律が回らないアナウンスはないと思うが、このところの酒にまつわるパイロット不祥事を見ていると不安になる。言語道断、それだけはご勘弁願いたい。


画像:pixabay

【東西南北論説風(72) by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】(26日18:15)

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